Saturday, December 19, 2009

中国:世界はアメリカの負債を買い続ける金がない

日本も多少は中国を見習ったらどうですかね?

国民の金を湯水のように使い続け、無い金を作り出し(借金)、新しい税金を課す法案を次から次へと可決させているオバマ政権が最も恐れていい発言でしょう。

上海日報 (Shanghai Daily) に昨日載った記事です。

Harder to buy US Treasuries
(Zhou Xin and Jason Subler, 12/18/09 Shanghai Daily)

「アメリカの貿易赤字縮小で海外へのドル供給が減少しているため、各国の政府にとってアメリカ政府の債券(Treasuries)を買い続けることは困難になってきている、と中国の中央銀行高官が発言。

「中国人民銀行の副総裁Zhu Min氏のコメントは中国に限ったものではないが、アメリカの債券の最大の米国外保有者である中国の高官の発言は注目に値する。中国は2兆3千億ドル(約207兆円)の外貨準備高の相当部分がドル建て資産であるため、この資産への影響を考えて通常は不用意な発言を控えている。」

記事は更に続き、

「米ドルの役割に触れたZhu副総裁は、ドルの価値が更に下落するのは防ぎようが無い、なぜなら米国政府は赤字国債の発行による赤字財政支出を続けるからである、と述べた。

「更に、アメリカの国債をいったい誰が買うのか、と疑問を呈している。

『米国は諸外国政府に米国債の購入を強要することはできない。保有高の倍増?絶対に不可能である。世界各国はこれ以上米国債を買う金がないのだ。』

日本も、アメリカに多少なりとも脅しをかけられないんですかね。普天間の件でも、コペンハーゲンの首脳会談でも、結構アメリカに馬鹿にされているようですが(まあ半分は自業自得か)、日本の米国債保有高は中国に次いで世界第2位、外貨準備高1兆700億ドルの内7500億ドル相当が米国債券です。

中国は米ドル・債券に頼る外貨準備高からの脱却を目指して、金(Gold)を買い続けています。中国政府の金保有高は、過去1年で倍増、現在1054トンです。(ちなみに日本は765トン。)これを今後数年で6000トン、10年後には10000トンに増やす計画だとか。6000トンになると、米国に次いで(Fort Knoxに実際に金があればの話ですが)世界第2位の金保有高になります。10000トンになれば、断トツの世界一の保有量です。

金だけでなく、鉄鉱石、亜鉛などの工業材料、アフリカの農地買い上げ・借り上げなど、ありとあらゆる手段で準備高の米ドル依存を減らすべく、中国政府と中国投資有限責任公司(China Investment Corp.)はフルに活動しているようです。

日本は何か対策を講じているのでしょうか?それとも、アメリカ政府への信頼はゆるぎない?

Thursday, December 3, 2009

Climategate、更に拡大!

ここ2週間、イギリスの東アングリアに端を発した『Climategate』、地球温暖化データでっち上げ騒動は、ヨーロッパ、アメリカにも飛び火、オーストラリアに至っては、政府提案のカーボントレーディングの法案を上院が否決しました。

ほとんど毎日のように新しい暴露記事が出、どれを紹介しようかと迷っている間にまたも新しい記事がでる、といった状態です。

まずはオーストラリアから。

上院、排気ガストレード法案を否決』(12/2/09 オーストラリアABCニュース)

野党(Liberal Party)議員5人、自党が政府に同調して排気ガストレード法案に賛成することに反対し、党役職を辞任』(11/26/09オーストラリアABCニュース)Liberal Party党首のMalcom Turnbullは党首を解任されました。

次にアメリカ。

NASA、(地球温暖化に不都合な)気象データを隠匿か』(12/3/09ワシントンタイムズ)

ペンシルバニア州立大のMichael Mann教授、地球温暖化データを誇張または偽造していた疑い』(11/30/09 US News and World Report)大学当局が調査に乗り出すようです。

次はデンマーク。

デンマーク、排ガス割り当てを巡る詐欺が横行』(12/1/09 コペンハーゲンポスト)VAT(Value Added Tax)の無い国から排ガス割り当てを買って、デンマークで売り、買い手からVATを取ってそのままドロン、という詐欺で、デンマーク政府は首都コペンハーゲンでの環境会議を直前にして緊急法案を可決する羽目に。

火の元のイギリスでは、

東アングリア大学、同大学内気象研究所(Climatic Research Unit)の気象学者によるデータ捏造疑惑の調査開始』(12/3/09 AP, via Breitbart)研究所長のPhil Jonesは調査終了まで職を解かれました。

東アングリア大学気象研究所、過去150年間の気温の生データを20年前に廃棄処分』(11/29/09 英国タイムズ)現在残っているのは、ここの研究者が改ざんしたデータのみ。

保守党党首David Cameron、環境ポリシーで自党の議員の反発を買う』(12/1/09 英国インデペンデント)Cameronに反対する議員、「排ガス規制は結構なことだが、そのためにイギリスの経済が破綻しては元も子もない」という、最もな議論。

英国テレグラフ紙のジェームズ・デリングポール(James Delingpole)は『Climategate』ニュースを書き続けています。

地球温暖化「危機」を煽って更なる大もうけを狙う前米国副大統領アル・ゴア氏は相変わらずで、コペンハーゲンの基準ではとても足りない、とかぬかしています。

日本の外から日本の新聞、インターネット報道などを見る限り、この騒ぎについては日本ではまったくの沈黙ですねえ。興味深い反応です。地球温暖化、しかもその原因はCO2と信じ切っていろいろな政策を実施し、規制を強化し、新税の創設を計画し、アメリカの猿真似のキャップ・アンド・トレードをやろうとしている日本としては、アル・ゴア氏と共に『Climategate』を無視するより他にないのでしょう。

Head in the sand…

When are you going to wake up?

Sunday, November 22, 2009

地球温暖化のデータ、実はでっち上げ?

「地球温暖化」のヒステリーは何も今に始まったことではありませんが、12月にコペンハーゲンで地球温暖化の対策枠組みの合意に向けて、世界主要各国で一段とヒステリーの度が上がっているようです。

そんな中、「地球温暖化」を疑う人々、特に、「人間が温暖化を引き起こしている主原因である」というマントラを疑う人々にはとてもジューシーなニュースが週末に入ってきました。

イギリスの東アングリアにある世界でも有数の気象研究所のコンピュータにロシアのハッカーがアクセス、過去数十年のデータとイギリス、アメリカの研究者の間で交わされてきたメールをインターネットにぶちまけたのです。

英語版のブログにイギリスのテレグラフ紙に載った記事の書き出しをコピーしましたので、お読みください。APにも出ました。

「地球温暖化」を疑う研究者の死を喜んでいるメールなどはまだかわいいものですが、どうも過去2,30年にわたって、「地球温暖化」の「理論」が裏付けられるようにデータを改ざんしていた可能性が大なのです。メールの一つは、「温暖化どころか気温は下がっている、これはデータが間違っているに違いない」と、自分たちのいわゆる「理論」を疑わず、科学的に計測されたデータをけなしています。

こうなると、これは宗教の一種ですね。

E pur si muove と言ったのはガリレオでしたねえ。

「温暖化」が起こっているとしても、それが人的理由か、自然のサイクルか(特に太陽の黒点の活動サイクル)データを調べもしないで分かるはずが無いだろうにと私などは素人考えですが、宗教の信者にはそんなことは関係ないのでしょう。

日本の新しい政権も着々と「人的理由で引き起こされている地球温暖化」宗教を広めているようですが、この全世界的経済不況の真っ只中で「地球温暖化税」、「キャップアンドトレード」などで金をむしりとられることになる納税者は、全世界的に二の足を踏みつつあるようです。

アメリカでも、アル・ゴア前副大統領(地球温暖化の億万長者)に対する反感が表向きになってきているような気がします。シカゴのClimate Exchangeを創設したのはほかならぬゴア氏。創設のパートナーはハンク・ポールソン前財務長官(元Goldman SachsのCEO)。政府の力を使ってミドル・クラスからお金を吸い上げて(税金、罰金、エネルギーコスト上昇による物価上昇など)、ゴア氏やポールソン前長官のような人々が恩恵を受けるわけです。何か、ばかばかしくなりませんか?

Stinking to high heaven…といったところでしょうか。

Friday, November 13, 2009

セルビアの市民「H1N1退治にはにんにくが一番」

政府の関係省庁、医者の渋い顔を尻目に、セルビアの市民はH1N1インフルエンザの予防ににんにくを買いまくっているようです。政府の勧めるワクチン接種(セルビア政府はスイスのノヴァーチス社のワクチンを購入)よりも、何世紀も行ってきた自然療法の方がよほど信頼されているようで、首都ベルグラードの青空市場でもにんにくが品切れ状態、価格が高騰している、とAP通信のニュースです。

Swine flu causes surge of garlic sales in Serbia
(Dusan Stojanovic, 11/13/09 AP via Google)

記事の中に、ベルグラードのシニアの名言(迷言?)がありました。「ワクチンで余計具合が悪くなるかもしれない。にんにくなら、息が臭くなるだけですむ。」セルビアの人々はにんにくを生でかじっているらしく、街頭、公共の場所はにんにくのにおいで充満しているとのこと。

にんにくは古来から各種疾患、疾病(消化不良、感染症、高血圧、心臓病、ガンなどなど)の予防および治療に使われてきました。古代ローマの軍隊は進軍した先々でにんにくを植え、兵士の治療に使っていました。また、セルビアのようなバルカン半島深部では、「吸血鬼退治」にも使われてきました。(Bill Sardi氏の数年前の記事をご参照。)

今回のにんにく人気の裏には、セルビアでこの夏行われた2つの音楽祭があるようです。7月に行われたある音楽祭で、そこに集まってビールを飲んで大麻をやって騒いでいた若い観客の中からセルビア初のH1N1インフルエンザのケースが発生。ところが、同じく多く人の集まった別の音楽祭では、にんにくのたっぷり入った肉料理を食べ、セルビアの伝統的なアルコール飲料(梅酒の一種)を飲んでいた観客は一人としてH1N1に罹患しなかった、さて、これはにんにくに違いない!ということのようです。(梅酒かもしれないでしょうに、と私は思いますが…。)

私はセルビア人(というかユーゴスラビア人(クロアチア人とセルビア人の混血))の友人がいますが、彼が代表的だとすると、バルカン半島の人々はまず頑固でしょう。特に政府の言うことなど鼻にもひっかけないで(大体政府をまるで信用していない)、信ずる我が道を行く、といったところですかね。

Thursday, November 12, 2009

ミシェル米大統領夫人、娘のため歴訪に同行せず

Nikkei Netに載っていた記事です。

オバマ大統領のアジア歴訪に夫人が同行しない理由として鼻持ちならない大統領報道官が挙げたのは、2人の娘を長期間残しておけないから、ということです。ヨーロッパにはほいほい行っておいてアジアには行かないなどと、訪問先には失礼な話ですが、この大統領夫人は自分の母親を官費でホワイトハウスに住まわせてベビーシッター代わりにする、という前代未聞のことをやらかしています。子供を長期間残しておけない、など、何を今更。8日間の日程が長期間だとは知りませんでしたねえ。

まあ、大統領夫人専属の召使ども(前例を上回る数)を連れて行かないですむので、多少は経費節減になるでしょう。

妊婦へのH1N1ワクチンの接種

ワクチン接種とインフルエンザ罹患、どっちが危険?

H1N1インフルエンザについて、Bill Sardi氏のラジオインタビューを聞き終わったところです。明日にもポストにして出したいと思いますが、とりあえず、これだけは今日中に言っておきたい!と思います。

妊婦の方、ワクチンの接種はよくよくお考えください。胎児(と乳幼児)の血液脳関門はまだ未発達のため、胎児の脳に(不活性化されているとは言え)ウィルスの菌、ワクチンの成分が直接行ってしまうのです。インフルエンザにかかると流産するとか死産する、という情報は、ほとんど根拠がありません。大体、H1N1ワクチンはほとんど臨床テストなどはされておらず、まして妊婦に対するテストなど日本でも皆無に等しいはずです。(アメリカでは間違いなく皆無です。)アメリカでH1N1インフルエンザで死亡したとされる妊婦は、既往症があるか、極度の肥満、または栄養失調(特にビタミンC欠乏)であったケースがほとんどです。

アメリカでも日本と同様、妊婦に優先してH1N1ワクチンの接種を開始しました。ところが、ワクチンの接種を受けた直後、それまで順調だった妊娠が突然流産、死産に終わってしまったケースがインターネットのメッセージボードに載りだしています。

インフル・ワクチン、ホラーストーリー(Bill Sardi 2009年11月13日Lewrockwell.com)

Bill Sardi氏の記事は、About.comに出だした、ワクチンの接種を受けた直後に流産、死産を経験した妊婦のメッセージを引用しています。(メッセージがでっち上げ、という可能性も勿論あります。)

また、記事によると、ポーランドは妊婦へのH1N1ワクチン接種を危険だとして取りやめることを決定したそうです。スイスも同様に禁止しているとの事。

About.comのコメント・セクションはここです

お子様のワクチン接種も同様です。特に小さな子供には、効きません。特に輸入ワクチンは、このブログでも何度か触れたとおり、100害あって一利なし。日本は希望者のみだそうですが、 アメリカでは小中学校で強制的に行われている地域も多く、接種を嫌って逃げ出した子供を拳銃を持った警官二人が追いかけて取り押さえ、無理矢理接種を受けさせた、とかいうとんでもないニュースもあります。

アメリカではインターネットの情報のおかげで、ワクチンの接種を拒む市民の方が多く、政府もパンデミックだと危機を煽ってきた手前格好がつかないのでしょう、CDC (Center for Disease Control)が、これまでH1N1インフルエンザで死亡した人の数を1200人から突然4000人以上に書き換えました。

そんなものです。中西部の急患専門医でもあるヤフーのメッセージボードメンバーの最新報告によると、インフルエンザの急患が今週になってばったり途絶えた、とのことです。どうも、何か変です。

Wednesday, November 11, 2009

株式市場と月の満ち欠け

正に Lunatic ですが、面白半分でご覧ください。英語版のトレード・ブログの方にチャートを出しておきました。ダウ工業平均のデイリー・チャートですが、ここ3ヶ月の満月と新月をそれぞれ緑と赤の矢印でマークしてあります。

何と驚いたことに、株式市場がマラリアの病原菌と同じように月の満ち欠けに反応しているではありませんか。ヤフーのSKFメッセージボードのメンバーに一人、大層変わった人がいて、9月の満月の直前に突然「このCorn Moon はパワフルだ」とかぶつぶつ言い出したのです。(この人は大体他人をけなすかぶつぶつ自分に話しかけているかのどちらかです。)その満月の翌日だったかな、株式市場は急上昇を始めました。10月のHarvest Moon も同じ。11月は、10月の後半の売りがかなり厳しかったので、これはここまでかな、と半分あきらめ、ショートのポジションを漁りだしたちょうどそのとき、またもBeaver Moonの満月。The rest is history.ダウ平均は今日今年最高を記録。

何でも11月の満月は「100年に1度の非常に強い力を持った満月」だったんだそうで、満月から5日間、マントラを唱えると望みがかなう、と私の主治医が満月から3日目に教えてくれました。発音が難しいので、このインド人GURUの唱えるマントラを2時間、先週の木曜日にかけっぱなしにしていたところ、ダウ平均がその間に80ポイント上昇しました。

エリオット・ウェーブ・インターナショナルのメンバーの一人が、エリオット・ウェーブのサイトで突然株式市場と月の満ち欠けの記事とチャートが今日出ていた、との報告がメッセージボードにありました。私のチャートは昨日出したものです。(ははは。私の勝ち。)

Monday, November 9, 2009

ウクライナの奇妙なパンデミック

英語版のブログにリンクをいくつか出しておきましたので、是非ご覧ください

ウクライナで10月29日に突然ブレークアウトしたインフルエンザらしき感染のことはご存知でしょうか?現在までに100万人が感染(11月のはじめの2日間で2倍)、死者115人との報道なのですが、死者115人の内H1N1ウィルスが検出されたのはわずか14例。残りの大多数のケースはいったい…?

H1N1の突然変異、エボラ、出血熱(Hemorrhagic fever)、肺ペスト(Pneumonic plague)などが可能性として挙げられているようですが、WHOの調査結果は公表されていません。

10月29日以前のウクライナのH1N1インフルエンザのケースはほとんど皆無に等しかったのです。何とも不思議な話です。不思議と言えば、いわゆるアメリカのマスメディア、MSM(Mainstream Media)には、ウクライナのニュースはほとんど出てきません。

英語版ブログにもリンクを出しましたが、これはちょっと面白いのでこちらにも出しておきます。Lewrockwell.comに掲載のBill Sardi氏の記事、『H1N1は人工的に作られた生物兵器か』からです。

"The synthesis of flu viruses became more than a possibility in 1999 when researchers demonstrated it was possible to overcome the previously insurmountable problem of arranging eight segments of RNA. This was accomplished by generation of RNA using an enzyme, RNA polymerase, essentially creating a cloned flu virus."

つまり、人工のウィルスです。この段落のすぐ前に、実験でポリオの人工ウィルスを注入したところ、本物のウィルスと同じように麻痺状態を引き起こした、とあります。

ちなみに、バクスター社の研究所がウクライナにあります。英語版ブログの最後のリンクをご覧ください。(怪しい、怪しい。)

(生徒から移された風邪(だといいんですが)が悪化するようなリンクばかりですねえ。皆様もお気をつけください。ビタミンA、C、D3、E、セレニウムと十分な休養です。)

Saturday, October 31, 2009

H1N1インフルエンザ最新情報

ヤフー・ファイナンスのSKFのメッセージボードは他の株のメッセージボードと比べても結構ユニークです。大体、ヤフーのメッセージボードでも金融関連の株をフォローしているボードはメンバーの質が高いのですが、SKFはその中でも群を抜いていると私は思っています。何が他のボードと違うかというと、このボードのトピックの豊富さでしょう。米国連邦準備銀行のバランスシートの中身から、株のテクニカル・アナリシス、金融関連の政府法令の影響、政治トピック、H1N1インフルエンザの最新ニュースといった具合です。メッセージボードですからもちろん顔が見えるわけでもなく、本名でもなく、年齢性別も定かでないのですが、不思議なことにメッセージを読んでいるとどの人が物を良く知っているか、よく考えているか、どの人がいい人か、なぜか何となく分かってくるのです。

という大層な前振りですが、そのボードの今日のトピックの中に、H1N1インフルエンザの情報が入ってきました。メッセージボードの記載です、とお断りして、お知らせしたいと思います。

まず1つ目の情報。これは、アメリカ中西部のどこかで急患専門の医者をやっているメンバーからで、ここ数日でインフルエンザの症状で急患を訪れる人々が急に増え、一日に50人のペースであること、患者の年齢は30代から50代、それまでまったく健康だった人が突然発病していること、呼吸器がやられていることなどを書いた後、彼は気になることを言っています。

H1N1インフルエンザにかかっているかどうかを判断するテストはまったく役に立たない。

私の前のブログ・ポストで、診断テストが擬陽性(False positive)を多く出している、というニュースをリンクしましたが、この急患専門医師によると、擬陰性(False negative)、つまり、かかっていないという検査結果でも実際にはかかっている状態も多く発生している、要するにテストは何の役にも立たない、と言うことなのです。また、彼自身もH1N1に感染したものの、さほどのこともなく回復した、とのことです。

2つ目の情報は、ロッキー山脈のどこかにいるウイルス学者です。彼は、今年の夏前、H1N1インフルエンザの件数が増えだした頃からH1N1ウィルスの発生源を突き止めるべく研究をしていたはずですが、今日突然メッセージボードに復活、彼の最新の研究の成果などを書いています。中西部の医者と同様、彼もH1N1にすでに感染、回復していて、ワクチンは接種を受けるな、副作用のほうが怖い、と言い続けています。彼の言では、接種を受けても多分効かない、とのことです。(実際、最新のBill Sardi氏の記事でも、ワクチンは特に子供には効かない、とあります。)

ワクチンが効かない理由として彼が挙げているのは、H1N1ウィルスがすでに変異を起していることです。インフルエンザが猛威を振るう冬が終わる頃には、最初のH1N1ウィルスとは大層違ったウィルスに変異しているだろう、というのです。また、彼も、インフルエンザのテストはまったく役に立たない、と言っています。

彼も気になる一言を書いています。彼の研究に突然多額の助成金が付き始めたのですが、助成金の目的はインフルエンザの予防ではなく、危機管理と損害の軽減(Loss mitigation)だ、とのこと。

どうもH1N1インフルエンザの発生件数が突然増えている可能性があること、春、夏に観察されたケースよりも重い症状になっている可能性があること、テストは役に立たないらしいこと。大変に気になったので、ここは一つ、Lewrockwell.comに寄稿しているBill Sardi氏にメールを出して、彼の意見を聞いてみよう、と思い立ち、実際にメールを出してみました。

Sardi氏の答えによると、最近のH1N1インフルエンザが春夏より重度の症状を起している可能性(つまり、新しいStrainが導入された可能性)はある、ということです。『導入された』、と彼が言うのは、このインフルエンザ・ウイルスが自然発生である可能性は低い、と見ているからです。(これは、ロッキー山脈のウィルス学者も以前から言っています。)

H1N1ウィルスは、DNAを調べると実は3種類のインフルエンザウィルスから成り立っています。豚由来のウィルス、鳥由来のウィルス、人間由来のウィルスが再集合したものです。H1N1インフルエンザの最初の患者はメキシコの小さな村の子供だったのですが、他の村人もインフルエンザ症状を呈したにもかかわらずH1N1ウィルスが検出されたのはこの子供だけだったこと、また、H1N1ウィルスを保有する豚、鳥は若干見つかったものの、逆にウィルスに感染した人間からうつされた可能性のほうが高いこと、などを考えると、このウィルスが自然的に発生したとは考えにくい、と彼は言うのです。

実際、ウィルスの発生経路を追及する研究は、ほとんどおざなり、といった状態です。発生経路が分からなくては有効なワクチンも出来ないのでは、と素人の私は思ってしまいましたが、現場のプロ(医者、研究者)もどうもそう思っているようです。

Bill Sardi氏の最新の記事は、ここです。

Flu Season Has Peaked; Vaccination Would Only Reduce Number of Infected Americans By 6 Percent; Young Children Would Receive No Benefit (Bill Sardi, 10/31/09 Lewrockwell.com)

ワクチンを接種しても、患者数をわずか6%減らすぐらいにしか役に立たない、6ヶ月から35ヶ月の乳幼児の25%にしか効かず、3歳から9歳の子供には36%しか効かない、とのこと。

大体インフルエンザのワクチンは実際あまり効かないのですが、今回のワクチンもその例外にもれず、と言ったところでしょうか。また、臨床試験などはほとんど行っていないこともお忘れなく。

また、Sardi氏によると、メッセージボードのメンバーが報告しているような重症ケースは、健康に見えても栄養不良である可能性がある、との事。ワクチンを受けるよりも有効なのは、Sardi氏によると、

  • ビタミンC
  • ビタミンD3(病院などでもらうビタミンDは大抵がD2です。これは効果があまりありません。)
  • ビタミンE
  • セレニウム
私のかかりつけの医者(ホメオパシーをやっているMDです)によると、上記のビタミン、サプリメントの他に、
  • ビタミンA(10,000IU)
  • Andrographis
  • Zinc(亜鉛。空腹時に摂取しないこと)
  • Oscillococcinum(フランスのBoironという会社が作っている、インフルエンザに効くホメオパシー

また、共生細菌(ヨーグルトに入っている乳酸菌など)の不足している人はインフルエンザにかかりやすい、という記事を読みました。ご参考まで。

Thursday, October 22, 2009

H1N1インフル・ワクチンの副作用は「単なる偶然」?

Lewrockwell.comに掲載の記事です。H1N1ワクチンの接種によって重大な副作用が発生した場合、ワクチン製造メーカーは「単なる偶然」で済ませるつもりだから、気をつけろ、ということです。

英語を要約する時間が無いので(株の売り買いについ毎日忙しく…)、英語のリンクですがぜひお読みください。(分かりにくいところがあったら、コメント欄に質問をお寄せください。)

Serious Vaccine Reactions to Now Be Called 'Coincidence'?
(Dr. Joseph Mercola, 10/22/09 Lewrockwell.com)

また、CBSニュースのレポートで、H1N1インフルエンザの疑いのある患者から取ったサンプルをテストしたところ、実際にH1N1インフルエンザにかかっていた患者数は精々2、3パーセント、最も割合の高かった州でも17パーセント(フロリダ)、検査した患者の大多数は単なる風邪だった、というのがありました。政府が情報の収集をストップしたのも、頷けます。H1N1は危険だ、ワクチンは強制してでも接種させる、と言っている側から、H1N1インフルエンザの罹患率は低くてあまり危険でもない、と言うような統計は、出せませんよねえ。ニュース・クリップのビデオを下にリンクしましたので、英語の勉強も兼ねてご覧ください。(週末に要約を出します。あくまで予定ですが…。)


Watch CBS News Videos Online

Monday, October 19, 2009

オバマ大統領の報道ディレクターは毛沢東の崇拝者

だそうです。フォックス・ニュースのグレン・ベック(ホワイト・ハウスが現在目の敵にして攻撃している相手です)が入手したビデオで、オバマ大統領のコミュニケーション・ディレクターのAnita Dunn女史が今年の六月に、どこかの高校の卒業式で行ったスピーチのようです。(よりによって、教会の中。)

ビデオの中の本人の言によると、Dunn女史の尊敬する政治的哲学者(Political philosopher)は2人、毛沢東とマザー・テレサだとのこと。

つい最近、オバマ大統領のGreen Czar、Van Jones氏が辞任したばかりですが、Jones氏は米国共産党のメンバーでした。

ヒットラー、スターリンをはるかに上回る数の自国民を殺戮した張本人が、大統領報道ディレクターの最も尊敬する哲学者の一人。(毛沢東が哲学者だとは知りませんでしたねえ。)いったいホワイト・ハウスはどうなっているんでしょうね。

(私の結論は、この大統領は喧嘩の仕方を知らないな、ということです。ずっと今までAffirmative Actionの恩恵を受けて、苦労なく実社会で働くことなく大統領まで成り上がったようなので、達者なのは口先だけ、と言ったら手厳しすぎますかねえ。)

ともあれ、ビデオをご覧ください。本人は今になって「あれはジョークだ」と言っているようですが、ジョークに聞こえます?


Monday, October 5, 2009

アラブ、中国、日本、ドル建ての原油価格を放棄?

英国インデペンデント紙の10月6日付けの記事です。

ドルの終焉(The demise of the dollar) 
(ロバート・フィスク、10月6日インデペンデント)

『アラブ湾岸国は、中国、ロシア、日本、フランスと共に、ドル建ての原油取引を廃止し、ドルの代わりに日本円、中国元、ユーロを含むいくつかの通貨と金、およびGulf Co-operation Councilのメンバー国(サウジアラビア、アブダビ、クウェート、カタールを含む)で新しく計画されている共通通貨をベースにした取引に移行する予定。

『すでにロシア、中国、日本、ブラジルの財務相および中央銀行総裁の間で内密の会合が行なわれ、計画を煮詰めている。』

移行は今後9年の間に行われる、と記事にはあります。最も熱心なのは中国で、

『中国の金融筋によると、話は進んでいるので今更[アメリカが]妨害しようとしても出来ないとのこと。「ロシアは遅かれ早かれルーブルを通貨バスケットに入れてくるだろう」と、香港の著名なブローカーはインデペンデント紙に語った。「英国は宙ぶらりんの状態だが、いずれユーロに参加する。ドルを使えなくなるのだから、そうするより外にないだろう。」』

と言うことは…アメリカのの最大債権国である中国、日本は、アメリカの債券に投資した金の回収をあきらめる、ということでしょうか?このニュースでドルが高騰するとは信じがたく、中国、日本は自国が保有するドル建て資産の大幅目減りを容認した、と取れるわけです。アラブ諸国、ロシア、ブラジルも、かなりのドル建て資産(債券)を保有しています。

ロシア、中国、フランスはまだしも、友好国と信じていた日本、アラブ湾岸諸国がドルを放棄するとなると、アメリカ政府の面子も、巨大赤字財政も、丸つぶれですねえ。(口だけ達者で経験が極薄の新米大統領を選んでしまった罰ですかね。)

それとも、新しい鳩山政権下ではこの計画も見直しになるのでしょうか?

Saturday, September 26, 2009

9月12日のワシントン抗議デモ、参加者は200万人?


ニューヨーク・タイムス紙は、デモの参加者は「数千人」、と報道しました。

ワシントン・ポスト紙によると、「数万人」。

日経新聞は確か「10万人」。

イギリスのデイリー・メール・オンラインは何と「200万人」、英語版のブログ・ポストで、「メールの推定は、いくらなんでも多分何かの間違いだろう」と私も書きました。

いわゆるMSM(Mainstream Media)、主要メディアが9月12日ワシントンDCでの政府の諸政策に反対する市民のデモを無視する中、インディアナ大学の学生(?)がデモ参加者の推定人数を算出しています。ワシントンDCで過去行われた大規模な集会(大統領就任式、デモ)の参加者推定と、グーグル・アースを駆使しての計算結果は何と

178万人から198万人。


デイリー・メールが大正解。

英語版のブログにこのインディアナ大学生のレポートを出してありますので、ご覧ください。

それにしても、冒頭の写真(デイリー・メールに載った写真です)を見て、参加者は「数千人」と書ける記者がいるとは驚きです。

Youtubeのビデオを見ても、「数万人」にすら見えません。



200万人近くのアメリカ市民がワシントンに集合して、オバマ政権の諸政策(医療政策、環境政策、銃器コントロール、金融政策、軍事政策など、まあ要するにありとあらゆる政策)に反対するデモを行う、これは未曾有の出来事です。にもかかわらず、マスコミは沈黙したまま。稀に口を開いたかと思うと、これは「人種差別だ」(カーター前大統領)とか、正気を疑うような発言をしています。政策反対がなんで人種差別なんだ?と私などは思いますが。これは「極右派」の仕業だ、というのもありますね。政府の金の無駄遣い、政策の非を鳴らすのに、左も右も無いと思いますが?

Tuesday, September 22, 2009

経済不況脱出政策:日米中の比較

1930年代の世界大恐慌以来の経済危機、と誰もが言う、アメリカのサブ・プライム・ローン危機に端を発した現在の経済不況。さて、これを克服するために世界の主要先進国、途上国を問わず、政府が前面に出て、主に金融操作、経済刺激策(まあ、金のバラまきですね)で事を解決しようとこの1年間、いろいろやってみたものの、成果が出ている、と公言しているのはアメリカでは政府関係者のみ。

アメリカでも、企業のレイオフはペースが鈍ったものの依然として高い水準、実質賃金の減少、労働時間の更なる短縮の傾向が続き、不況のきっかけとなった金融機関の劣悪な資産は依然としてそのまま。今年の年頭から急速に増加したものと言えば、国の借金(債券)と、「Czar」と通称される大統領直属の私的顧問の数ぐらいでしょう。

そんな中、世界の3大経済、アメリカ、日本、中国は、どのような政策で不況脱出を図ろうとしているのでしょうか?この3か国を見る限り、不況脱出は残念ながら不可能ではないか、と悲観してしまう今日この頃です。

まずアメリカ。この夏以来、人気がどっと落ちたオバマ大統領ですが、路線はまったく変わらず。医療改革が何としても第一、という、不可解な姿勢もまったく変わっていません。上院の委員会で討議されている改革案には、高額の医療保険に入っている人々から追徴金を取る、とかいう、とんでもない条項が入っています。また、耳掻きから生理用品、コンタクトレンズの果てから高度医療機器まで、「医療器具」と引っくくって課税する、と言う案が出ています。下院の委員会を通過した改革案(H.R.3200)は、医療保険に入っていない人々すべてから追徴金を取る、従業員に保険を提供しない企業(雇用の大半を生み出す中小企業です)に追加課税、大統領任命のコミッショナーに、税金納付の詳細から銀行口座の詳細まで、あらゆる情報のアクセスを許す、など、この「改革」なるものが成立してしまったらアメリカは二度と不況から立ち上がれないのでは、と思わせるような条項ばかり。しかも悪いことに、日本に先駆けて、キャップ・アンド・トレードが下院を通過してしまいました。

次に日本。民主党に政権が変わり、そのこと自体は非常に良いことだと思います。ただ、残念なのは、民主党がマニフェストなるものに掲げている政策の多くは、アメリカの民主党の政策の引き写しのようにしか見えないことです。その最たるものが、民主党の掲げるキャップ・アンド・トレード。これがアメリカの引き写しだとすると、現在の税金に更に20%上乗せするようなものです。しかも、企業が支払うのではなく、国民が広く負担することになります。

最後に中国。日本以上に輸出に経済を頼る中国の不況脱出の政策は?昨年末の経済刺激策で巨額の政府資金をばら撒いたおかげで、上海株式市場は急上昇しました。と同時に、インフレも上昇、政府は銀行の貸出し条件を強化する方針のようです。ばら撒き政策以外には、と見てみると、何と福祉政策が不況脱出策として挙げられているではありませんか。詳細は英語版のブログ・ポストを参照していただけると幸いですが、例えば、政府企業所有の鉱山からの垂れ流しで汚染された川の水のために、村人がガンで苦しみ、作物にも重大な被害が出ている、と言ったそのすぐあと、「だから中国も国家レベルの医療福祉体制の強化が必要」という結論なのです。それより汚染を何とかするほうが先だろうに、と私などは思ってしまいますが、どうも違うんですねえ。

英語ブログ・ポストの2つ目のリンクはBBCラジオのインタビューで、モルガン・スタンレー・アジアの会長(社長かな?)Stephen Roach氏が登場。中国の不況脱出には「福祉政策」の充実が第一、医療保険、失業保険、年金などの、社会の「安全ネット」を充実させれば、国民も安心して稼いだ金を貯めこむ代わりにどんどん使うだろう、と言うのが論理のようです。Roach氏のすぐ後に登場する中国政府関係者もそれにすっかり同意している様子。

日本で郵便局を民営化したのはアメリカの住宅バブルの絶頂期でしたねえ。郵便貯金を狙ってアメリカ、ヨーロッパの投資銀行がどっと押し寄せたようですが、中国に「福祉政策」とやらをけしかけて、集まるであろう巨額の資金を、多分モルガン・スタンレーを初めとするアメリカの銀行は狙っているんでしょう。(中国はイギリスのアヘン貿易を覚えていないのかなあ。)

経済不況脱出の政策が「医療政策」(アメリカ)、「環境政策」(日本)、「福祉政策」(中国)。どれをとっても、経済不況の只中に、国民の負担を増加するものばかり。Does it make sense to you?

私はオーストリア学派の経済学の考え方に賛成で、政府が前面に出て経済を牽引するのには反対です。牽引など出来ないどころか、より事態を悪化させると思っています。日米中政府の政策を見ると、最大課題の経済不況脱出を助ける、あるいは妨げないどころか、個人、私企業の自助努力を妨害し、更に不況に追い込みかねないのでは、と危惧しています。

Wednesday, September 16, 2009

日経平均のTA(テクニカル・アナリシス)

日本由来のロウソクチャートを出すのもおこがましいんですが、今日(9月16日)ダウ工業平均が今年の最高値を付けたのを見て、さて、日経平均はダウと比べてどんな状態なのかな、と興味が湧きました。通常は日経平均の数字だけを見ていますが、チャートをしみじみ見たことはこれが初めて。


チャートは週チャート、期間は3年間です。ダウ平均の同期間内の週チャートに比べると、今年3月の底値からの上昇はやや力が無い、と言わざるを得ません。ダウ平均がすでに2007年10月の最高値から今年3月の底値までのフィボナチ・リトレースメント(Fibonacci Retracement)で38.2%回復ラインを突破し、50%のラインに迫ろうか、というところなのに対し、日経平均はいまだ38.2%ライン(日経平均11000)を越えていません。

RSIの上昇傾向は崩れておらず、MACDもポジティブなのですが、どうももう一つ元気が無いように見えます。Slow Stochasticは50の線に到達(ダウはすでに越えています)したものの、やはりもう一つですね。9月17日の日経平均は今のところ1パーセント弱の上昇ですから、そう決め付けるのは早急ですね。

アメリカから見ていると、日経平均はダウ工業平均と上海株式市場の間に挟まれて、どうも動きがままならないように思えます。朝はダウの結果を受けて上昇するものの、上海市場のオープンを待たないと動きが決められない、といった状況が結構あるようですね。ダウも上海も、世界の他の株式市場がどうであろうとわが道を行く、といった感がありますが、日経平均はやはり日本らしい気配りでしょうか?

もっとも上海株式市場は、とても株式市場とは思えない、TAなどやってもやるだけ無駄のような、ものすごいチャートだったのを覚えています。マカオのカジノ、といったことろでしょうか。

Sunday, September 13, 2009

グラクソ・スミスクラインのH1N1ワクチンの中身

バクスター、ノヴァーチスのH1N1ワクチンの危険性についてはこのブログでもレポートしましたが(まだお読みでない方、ぜひお読みください)、グラクソ・スミスクライン社のワクチンにも同様の物質が入っています。

グラクソのH1N1ワクチンは、同社がH5N1(鳥インフルエンザ)ワクチンに使用したのと同じ補薬(Adjuvant)、『AS30』を使用しています。AS30の主成分は他社と同じ、スクアレン。

グラクソ社の広報によると、

「ワクチンは、H1N12009年インフルエンザ菌の抗原とともに、グラクソ・スミスクライン独自の補薬システムであるAS03を含む。H5N1鳥インフルエンザウィルスを使用した臨床試験で、この補薬は補薬を含まない処方に比べて少ない抗原でより高い免疫反応を引き出す効果が認められた。 従って、この補薬システムの入ったワクチンは、ワクチンの大量生産を可能にする。」

要するに、抗原が少なくても効くように、免疫機能を人工的に高めるための補薬、と言うわけです。その主成分がスクアレンで、その危険性については先のブログ・ポストですでに触れましたが、ここでも復習しておくと、

「スクアレンは、脳の免疫細胞を過度に、長期にわたって刺激する可能性があり、その結果脳の炎症を起こし、自己免疫疾患を引き起こす」

ということです。また、スクアレンは実験動物を発病させるためにも使用されています。

ちなみに、サノフィ・パスツール社のワクチンに使用されている補薬、AF30も、スクアレンが入っています。補薬を使用していないワクチンは中国が開発しているワクチンだけのようですね。

グラクソ社がH5N1鳥インフルエンザワクチンに使用した成分がインターネットに出回っていますが、それを見ると、AS30(スクアレン)以外にも危ない物質がかなり入っています。(有害物質は赤)

alpha-tocopherol: ビタミンE
aluminum adjuvant アルミ補薬
disodium phosphate リン酸ナトリウム: 食品添加物
formaldehyde ホルムアルデヒド: 人体有害物質
magnesium chloride 塩化マグネシウム: 豆腐のにがりがこれです
octoxynol 10: 洗剤の一種
polysorbate 80 (Tween 80) ポリソルベート: 食品添加物。AS30の一部
potassium chloride 塩化カリウム: 死刑の際の薬物注射の成分です。
potassium dihydrogen phosphate リン酸二水素カリウム: 肥料、食品添加物、殺菌剤
sodium chloride 塩化ナトリウム(塩)
sodium deoxycholate デオキシコール酸ナトリウム
squalene スクアレン: AS30の主成分
thiomersal (thimerosol) チオマーサル: これは水銀です。
vitamin E

Tuesday, September 8, 2009

金のブレークアウト!(かな?)


金の過去3年の週チャートです。1オンス1000ドルの天井にぶち当ることすでに今日で4度、その度にまた下降しているのですが、パターンが上方向にブレークするのは今かも?

Barrick Goldは今日、金のヘッジをすべて外す、と発表しました。また、中国政府は、ロンドンに保管してある(はずの)金を、香港に新しく建造した金庫に引き揚げる旨を通告しています。アメリカ政府の金融政策(というより、政策の欠如)に不満を募らせている中国は、2兆ドル相当の外貨準備高をドルから現物に切り替えるべく、ありとあらゆることをやっているようですが(アフリカの農地を買いまくる、鉄鉱石を買い漁る、石油備蓄、海外企業買収などなど)、その中の一つが金の取得のようです。

(中国に次いで外貨準備高の大半がドル建の資産なのは日本ですねえ。ドル建資産の大幅な目減りの可能性に対して、日本は何か手を打っているのでしょうか?)

Sunday, September 6, 2009

OT: スロベニアのポルカ・バンドのヒット曲!

Just hilarious.
スロベニアのAtomik Harmonikというバンドの、「ターボ・ポルカ(Turbo Polka)」です。

(英語版ブログには、「テクノ・チキン・レミックス」、これも爆笑。ぜひご覧ください。)

Thursday, September 3, 2009

H1N1ワクチンの副作用はインフルエンザより怖い?

日本でもH1N1ウィルス由来のインフルエンザの対策が急ピッチで進んでいるようですね。日本でのワクチン接種は任意、ワクチンの製造は国内の会社が行う、という記事を読んで安心していましたが、安心は時期早、8月26日の読売新聞の記事を見てすっかりまた不安になりました。

『国内で必要とされるワクチンは5300万人分。国内メーカーが年末までに製造可能なのは1300万~1700万人分にとどまり、厚生労働省は、不足分を欧米などの大手ワクチンメーカーから輸入する方針だ。しかし、海外製ワクチンにはワクチンの効果を増強するため、国内製にはない添加物が含まれており、予期できない重い副作用が起こる可能性が懸念されている。』

必要分の7割を輸入に頼る?しかも、

『海外製ワクチンの輸入は、緊急時に国内での臨床試験(治験)を省略して承認できる薬事法上の「特例承認」を初適用する方針だ。』

ううううぅ危ない。

新しい民主党政権になって、インフルエンザ対策が変わるのかどうか私は知りませんが、とりあえず変わらないと仮定して話を進めます。

大手欧米メーカーというのは、多分すでにワクチンを製品化してテストしているアメリカのバクスター(Baxter)とスイスのノヴァーチス(Novartis)だと思われます。どちらも重度の(死に至りかねない)副作用が指摘されており、医療関係者、研究者でさえ、ワクチンの接種は受けるな、と発言しています。H1N1インフルエンザで死ぬ確率よりワクチンの副作用で死ぬ確率の方が高い、という研究者の書いた記事によると、

『バクスター社のワクチンは「Celvapan」という名称で、アメリカでも特例措置の承認を取り付け、世界保健機構と契約して全世界にこのワクチンを供給する予定になっている。バクスター社のワクチンは、元になるカルチャーにAfrican Green Monkeyから取って培養した細胞を使用している。African Green Monkeyの細胞組織はワクチンを汚染するいろいろなウィルスの温床であり、そのようなウィルスの一つがエイズを引き起こすとされるHIVウィルスである。』

また、昨年の12月、バクスター社のオーストリア子会社はH5N1鳥インフルエンザの生菌が入ったワクチンを世界18カ国に発送、チェコの技師が念のために小動物でテストしたところ動物がすべて死んだため、まったく偶然に手違いが分かった、という空恐ろしいことをしでかしています。

次に、ノヴァーチス社のワクチンについては、こうあります:

『ノヴァーチス社のワクチンには「スクアレン(Squalene)」という物質が補薬(Adjuvant)として入っている。「スクアレン」は自己免疫疾患(リュウマチ性関節炎、多発性硬化症(MS)、Lupus)を引き起こす。また、湾岸戦争症候群とも関連付けられている。』

ノヴァーチス社が買収したChinonという会社が製造する、「スクアレン」を主原料としたMF-59という補薬がH1N1ワクチンに入っているのです。更に、

『「スクアレン」は高度免疫反応、自己免疫反応を引き起こす可能性があるため、真の危険は脳の免疫細胞、ミクログリアが長期にわたって活性化されることにある。[つまり、脳の炎症です。] このような長期にわたるミクログリアの活性化は、MS、アルツハイマー、パーキンソン氏病、ALS [筋萎縮性側索硬化症]、ワクチンによる脳炎などと強く関連付けられている。』

『「スクアレン」が安全だ、とする臨床レポートをよくみると、レポートを書いたのはノヴァーチス社、あるいはChinon社の研究員である。』

『ワクチン接種を勧める医師も含め、多くの人々が見落としているのは、製薬会社のテストはワクチン接種後わずか1、2週間の様子を見るだけだ、と言うことである。前述のような反応が現れるには、数ヶ月、数年かかるのである。』

『いったんワクチンが接種されてしまったら、自分を守るために出来ることはほとんどない。つまり、一生重い疾患に悩まされ、早まった死を迎えることになる。』

このような記事が以前から出ているにもかかわらず、また、アメリカ市民の間でもワクチンに対する疑問が深まっているにもかかわらず、アメリカ政府は(何と)40ドルのギフトカードを餌に、(よりによって)子供に試験的に接種を始めています。子供を治験動物代わりにしているわけです。(親を見たら殴ってやりたい。)

記事が勧めるのは、効かないどころか有害なワクチン接種ではなく、ビタミンD3の大量摂取[2000IUから5000IUという数字を私はみました]、免疫機能を高めるサプリメント、良い食生活の3つ。それと、手をしっかり石鹸で洗う。

日本の会社が製造した日本のワクチンならいざ知らず、輸入のワクチンなど、絶対に避けましょう。いくら政府が補償を出すといっても、健康を一生損なう代償なんていくら出されても足りませんよ。

ちなみに、アメリカは、まるで内乱か戦争を想定しているとしか思えないような政府の対策要綱が漏れ出しています。(英語版のポストをご参照ください。)毒性が指摘されているワクチンの強制接種、患者の強制隔離、違反者は禁固30日以内、罰金一日1000ドル、など、ニュースを読んでいると空恐ろしくなります。オバマ政権下のアメリカの日常風景は、自由を愛する市民にとってはあまりいいものではありません。毎日テロリストの攻撃を受けているようで。(テロリストが政府だ、ってところがどうも。)

ちなみに、一週間のレンタルが5万ドルの貸し別荘で夏休みを過ごした大統領は、夏休みの疲れを取るために米国大統領の公式の休養地のCamp Davidへ出かけたはずです。(結構なご身分です。)

Sunday, August 30, 2009

民主党の『国家戦略局』案への不安

日本の衆議院選挙は、民主党が定数480議席中308議席を獲得するという、予想以上の圧勝となりました。自民党以外の党が過半数を超えて政権をとるのは戦後初めて、確かに歴史的な出来事でしょう。

民主党支持者の方々、あるいは単に反自民で投票した方々、共にひとまず希望がかなったことになりますが、ニュースを読んでいてちょっと気になったことがあります。

ちょっとどころか、大いに気になっています。新しい政権下、最重要項目として『国家戦略局』なるものを真っ先に制定する予定のようですが、これが私の不安の原因です。毎日新聞の記事によると、

『民主党は、衆院選後政権を獲得した場合に、国家の基本方針や予算の骨格を定める組織として内閣に新設する、首相直属の「国家戦略局」の概要を固めた。トップの議長には専任の閣僚を充て、最重要閣僚の一人と位置付ける。構成メンバーは国会議員、民間の有識者、各政策を担当する官僚の計約30人。同党はマニフェスト(政権公約)に掲げる、子ども手当や高速道路無料化など独自政策の所要額(16兆8000億円、2013年度)について「国の総予算207兆円の全面組み替え」で財源を捻出(ねんしゅつ)するとしており、こうした作業を国家戦略局中心に行う意向だ。』

国家の基本方針、予算の骨格を定める、とありますが、実際に計画されていることを見ると、細かい政策の計画から実施まで、この、内閣直属の戦略局で行うことになるようです。国家の基本方針というからには、内政、外交、軍事のすべてをカバーすると思われます。さらに産経新聞によると、

『民主党の菅直人代表代行は7日の記者会見で、同党の政権構想の柱となる「国家戦略局」について、法律ではなく政令で設置する方針を明らかにした。菅氏は「国家戦略局は内閣官房組織令という政令で置く。』

これは危険です。とても危険です。

政令とは、内閣が制定する成文法のことで、法律とは違って内閣の閣議決定、担当大臣と内閣総理大臣の連署だけで成立し、あとは天皇による公布、官報に掲載された後施行されます。つまり、国民が選んだ議員で構成される、立法機関である議会での討論、投票、承認なしに成立してしまうのです。

さらに、政令は、

  • 特に法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。(憲法第73条第6号ただし書き)
    法律の委任がなければ、義務を課し、又は権利を制限する規定を設けることができない(内閣法第11条) (ウィキペディア

とあります。

日本の政令は英語で「Cabinet order」と訳されますが、これはアメリカで言う「Executive Order」、行政機関の代表者としての大統領の権限だけで成立してしまう法令と同等のものと思われます。議会の討論、承認なしに大統領の署名だけで成立し、いったん成立してしまうと、これを取り消すには大統領のExecutive Orderが必要になります。議会が取り消すことも可能なのですが、大統領の否定権を乗り越えるにはいわゆる「Super majority」、議会の3分の2の承認が必要になるため、実際上は不可能に近いのです。司法府が取り消した例は過去にわずか2例あるのみ。

ブッシュ前大統領はこのExecutive Orderを乱発したと非難を受けましたが、オバマ大統領も、選挙戦中はこれを強く非難していたものの、いざ大統領に就任すると前任者にも増してExecutive Orderを発行しまくっています。そればかりか、オバマ大統領はすでにExecutive Orderのさらに先を行っています。たとえば、GM、クライスラーを破産させて実質解体を進めたのは、大統領がいわば勝手に作った「自動車業界タスク・フォース」。議会はつんぼ桟敷で、要するに金は出しても口を出すな、と大統領のスポークスマンが平気で言ってました。

また、オバマ大統領が勝手に任命している、「Czar」と通称される、閣僚(ちなみにアメリカの閣僚は選挙で選出された議員であることはほとんどありません。ほとんどが大統領による任命と、議会の承認です)と同等以上の権限を持つ大統領任命の補佐官とでもいうのでしょうか、イギリスや日本で言う「影の内閣」のような人たちが30人近くいます。「影の内閣」と決定的に違うのは、野党がやっているのではなく、大統領自身がやっているところにあります。議会、正式な国の省庁と対抗して、大統領が自身の「影の政府」を作っているわけです。これら「Czar」(半分は女性ですからCzarinaかな)は彼らを任命した大統領にのみ責任を負っています。

内閣直属の、政令だけで成立する『国家戦略局』なるものは、オバマ大統領の「影の政府」と50歩100歩のような、いやな予感がします。杞憂であればいいのですが。わずか30人の『国家戦略局』のメンバーが国家の政策を主導していいものでしょうか?

アメリカ依存から脱却する、というのも民主党の掲げた公約(最近はわけのわからんマニフェストとかいう言葉を使っていますねえ)のひとつだったと記憶していますが?

アメリカでも「ブッシュ憎し」で民主党、オバマ候補に投票した人々が、オバマ大統領の政策(共産主義、ナチズムという言葉がインターネットのニュースサイトでめっきり増えました)と強引な政策の進め方を見て後悔し始めています。「自民党憎し」で投票した方々、民主党の支持者の方々も、新しい政権が何をするのか、最初からしっかり見て、しっかり批判してください。

Wednesday, August 26, 2009

ビル・フレッケンスタインのインフレ・トレード

このビデオは、CNBCの人気番組(と言っても今も人気があるのかどうか)Fast Moneyの8月26日のセグメントです。司会代行のRick Santelliが話を聞いている相手は、Bill Fleckenstein。彼はいわばショート・スペシャリストで、彼のファンドは確か2007暮れ以来の株式市場の下落で大もうけしたはずです。今年の3月に市場が底を打つ直前にショートをカバーしてファンドを閉め、ロングのポジションがあるのか無いのか、この番組を見なくなった私はよく知りません。以前に司会をしていたDylan Ratiganがプロデューサーとの確執で番組を突然降りてから、視聴率がかなり下がったと聞きました。司会代行のSantelliはシカゴの商品先物取引市場の出で、歯に絹を着せない物言いで人気と物議を両方醸していました。CNBCの親会社のGEが政府から資金および資金調達の援助を受けるようになってから特に、番組はぐっと政府寄りのコメントが増えました。

まあそれはともかく。ビル・フレッケンスタインによると、アメリカの財務省が際限なく発行する債券の影響で、ドルは下がる、他の通貨も下がる、ここでのトレードは、金、銀、および金・銀を地中から取り出す採鉱会社への投資だ、ということです。Fast Moneyに出演しているトレーダーは主に株式市場のトレーダーなので、彼らの質問は「でもS&Pは、まだ上があると思うか?」これに対するビルの答えは、株式市場の上昇がどれだけ実質経済を反映しているのか、分からない(彼は疑問視してますね)。確実なのは、政府が大量のドルを投入していること、今後も経済がどうであれこれは続くだろうこと。GDP(国民生産高)をベースにした(つまり株式市場)投資は、失業率が改善する見込みが当分の間ないだろうからまず意味がない。それよりも、政府のドル印刷をベースにした投資をする。ということです。

ハイテク株に対する質問には、ターゲットが低く設定されているので、多分今四半期はOK、但しこれは価値に基づいたものではなく、単なるトレードの手段としてのみ、との答え。Fast Moneyのトレーダーは以前からフレッケンスタイン(とピーター・シフ)のような、米国株式市場をあまり重視しない、あるいはロングのポジションを取らない投資家に対して、あまりいい対応をしません。だいたい、インタビューが終わるとすぐに、「彼はああ言っているけれど、実際はそんなもんじゃない」とすぐこき下ろしにかかります。

まあ、この番組に出演しているトレーダーは、昨年の8月Washington Mutualが政府に差し押さえられる直前に株を勧めたトレーダーもいれば、同じく8月、National Cityが買収候補で株が上がる、と勧めたトレーダーもいる(National CityはいわゆるTake-under、買収こそされましたが、前日に取引されていた株価よりもずっと低い買収価格で、投資家は大損をしたはずです)、9月、10月に市場が急落していた時も、毎日毎日この株は買いだ、あの株も買いだ、と言いくさっていたものです。程度は推して知るべしですね。












Friday, August 21, 2009

ピーター・シフ: ウォーレン・バフェットは間違っている

ウォーレン・バフェットがニューヨーク・タイムズの社説欄にゲストとして書いた記事、"The Greenback Effect" (8/18/09, New York Times) に対する、ピーター・シフの反論です。

億万長者の投資家、ウォーレン・バフェットがオバマ大統領の熱烈な支持者であることは誰もが知っています。NYタイムズの社説で、バフェット氏は増え続ける国の負債に懸念を示し、負債のためにUSドルの価値は下落する、と述べている同じ口で、昨年の秋以来の政府(ブッシュ、オバマ)の対応、つまり、問題が何であれ、また原因が何であれ、とにかく借金に借金を重ねてでもいいから政府の資金を投入する、という対応を、100パーセントサポートする、よくやった、と言うのです。また、そう言ったすぐ後で、たとえ景気が回復しても、政府の収入と支出のギャップは埋まりそうにない、とも言っています。

これに対し、シフの意見は、政府の借金政策について、”Warren Buffet is dead wrong." 明快ですね。 私もまったく賛成です。


Tuesday, August 18, 2009

OT: 国家負債を減らす一方法 (ジョークですよ、ジョーク) 

『アメリカ随一のニュース元』を謳うオニオン(たまねぎ)ニュース・ネットワーク(ONN)のクリップです。

10兆ドルを超す国家負債を抱えたアメリカ政府は、過激な手段で負債を帳消しにすることを決意、大統領、議会がぐるになってクーデターをでっち上げ、外国政府が保有する米国債券の支払い停止を宣言します。 「よく聞け中国、日本、アラブ首長国連邦、アメリカはもう存在しない。従ってアメリカの負債も存在しない!」と、クーデターの主犯。

(実際、いい考えだなあ。)

ちなみに、2009年8月18日カリフォルニア時間午後8時10分現在の米国の国家負債額は、

$11,720,777,380

一秒当たり8万6千ドル(今年の6月現在)で増えています。


Saturday, August 15, 2009

ゼロ・ヘッジ タイラー・ダーデン、インタビュー

マックス・カイザーの”On the Edge”に、ゼロ・ヘッジのタイラー・ダーデン(Tyler Durden)が登場しました。(電話インタービューですが。)

パート2のビデオで、タイラーはHigh Frequency Tradingについて語っています。タイラーの注意深い発言に、ADD(Attention Deficit Disorder、注意欠如障害)気味のマックス・カイザーが痺れを切らしているようです。



Wednesday, August 12, 2009

シティバンク、中国の債券市場のマーケット・メーカーに

最近、英国のメディアだけでなくアメリカの新聞等でも、中国のクレジット市場の加熱ぶりを危惧する記事が増えてきました。昨年12月来、中国政府の経済刺激政策による容易なクレジット(ローン)が実質経済に行かず、不動産、株式、商品先物などの投機に回っていることに対する危惧、つまりバブル化に対する危惧なのですが、そこはバブルに年季の入ったアメリカの金融機関の出番でしょう。ということで…

ウォール・ストリート・ジャーナル紙に明日付けで掲載される記事です。

中国、シティをマーケット・メーカーとして承認 
(8月13日 ウォールストリート・ジャーナル)

『上海発--シティグループの中国現地法人、シティバンク(チャイナ)は、中国国内の銀行間の債券取引市場のマーケット・メーカーとして機能するための政府からの許可を得た、と発表した。中国の債券市場はアジアでは日本に次ぐ規模で、そこでの2番目の外国金融機関のマーケット・メーカーとなるわけである。

『より経験のある海外の投資機関に中国の債券市場での債券の取引を許可することは、今までよりも効率的な価格設定メカニズムを構築する一助となると思われる。また、この動きは国内の債券市場における外銀の役割が拡大していることを示している。中国政府は今年の初め、上海と香港の市場で、外国金融機関の現地法人が中国人民元建ての債券を売る許可を出した。シティバンク(チャイナ)の承認以前、国内の銀行間債券市場のマーケット・メーカーは20社、この中には、中国で初めてマーケット・メーカーとして承認された外銀、J.P.モルガン・チェースの現地法人も含まれている。

『シティバンク(チャイナ)は銀行間の外国為替市場のマーケット・メーカーでもある。』

ちなみに、マーケット・メーカーと言うのは、日本の「仕手」とはちょっと意味が違うようですね。これは英語での定義です。(Wikipedia.org)

”A market maker is a company that quotes both a buy and a sell price in a financial instrument or commodity, hoping to make a profit on the bid/offer spread, or turn.

”In the United States, the New York Stock Exchange (NYSE) and American Stock Exchange (AMEX), among others, have a single exchange member, formerly known as specialists, and now as Designated Market Makers, who acts as the official market maker for a given security. In return for a) providing a required amount of liquidity to the security's market, b) taking the other side of trades when there are short-term buy-and-sell-side imbalances in customer orders, and c) attempting to prevent excess volatility, the specialist is granted various informational and trade execution advantages.”

ともあれ、いったんシティ、JPモルガン・チェースなどの米国金融機関を入れたら(特に債券市場に入れたら)、どういうことになるか、中国政府はよく理解していないのでは?

アメリカに端を発した今回の金融バブル崩壊のきっかけは、これら金融機関(ゴールドマン、モルガン・スタンレー、今は無きリーマン・ブラザーズ、ベアー・スターンズ、カントリーワイド、メリルリンチ、無きに等しいAIGを忘れてはいけませんね)が債券市場で「新しい」債券、つまり、不動産負債、クレジットカード負債などから「新しい」債券(MBS, ABS, CDO) を商品化して全世界に売り出したのが元です。

まあ、余計な世話ですね。日本でも、バブル再来を20年来夢見ている友人がいます。

中国上場企業の株式のダブル・ショートETFのシンボルは、FXP。過去1年の最高値は一株183ドル、今日の終値は10ドルを切りました。私は5ドルぐらいまでは下がる、と思っています。(逆に言えば、中国市場が(バブルのおかげで)ここから更に25%上昇するかもしれない、ということです。)手をつけたいのをまだじっと我慢。

Monday, August 10, 2009

オバマ大統領、人気急降下

ラスミューセン・レポート(Rasmussen Report)は、大統領支持率を毎日計るグラフをサイトに出しています。8月10日月曜日現在の数字はマイナス9、『強い支持』の数字から『強い不支持』の数字を引いた数字です。『支持』は現在49パーセント、『不支持』は51パーセント。『不支持』が『支持』を決定的に上回ったのは7月の下旬、黒人のハーバード大学教授の逮捕を巡ってのオバマ大統領の発言(ケンブリッジ警察をばか扱いした)に反発した人々が思いがけなく多く、不支持率が一段と上がりました。

もっとも、人気降下の最大の原因は、オバマ大統領の進める政策、特に、ヘルス・ケアの改革でしょう。この改革の内容が広まるにつれ、これに反対する一般市民が米国議会上院、下院の議員が開くTownhall Meetingに出かけ、抗議しています。

アメリカでは、医療保険は私的な保険がほとんどで、公的保険は65歳以上のシニアのためのMedicare、低所得者のためのMedicareですが、公的保険はすでに資金が尽きて破産状態。大統領の進める改革では、医療保険をすべて国が運営するHealth Choices Administrationなるものに移管して、大統領が指名するコミッショナーが保険のレベルから治療のレベル、支払いのメカニズムまで、すべて決定する、というものです。このコミッショナーは大統領にのみ報告義務があり、議会は何の権限も持たないのです。

ただでさえ国の保険は破産していると言うのに、すべての医療保険を国の管理下に置いて、どうやって運営するつもりなんでしょうか。

大統領と民主党の計画では、高所得者(この定義がまた問題なんですが)の税引き前の収入に課税して費用をまかなうことになります。更に、所得に関係なく、現在医療保険に入っていない人の税引き前の収入に8.5パーセント課税する、という条項も入っています。保険を提供しない中小企業への追加課税もあります。ヘルス・ケアは「権利」だ、と謳っている割には、その「権利」を行使しない権利は一切認めない、認めないどころか、罰金を科する、と言うわけです。(私は個人的には、ヘルス・ケアは「権利」などではなく、お金で買える商品(Goods)の一つだと思っています。)

私の英語のブログで最近一番ヒットが多いポストは、この改革法案(H.R. 3200)のセクション1233、シニアに対して最低5年毎に、要するにどういう風に生を終えたいか、医者またはNurse Practitionerと相談することを義務付けるセクションです。この医者の相談のガイドラインも前述のコミッショナーが決めます。相談の結果、医者が延命治療を拒否することもあるわけです。また、シニアだけでなく、別のセクションでは障害者に対する治療を限定する条項もあります。

一番呆れるのは、この改革から、議会(議員と大統領、副大統領など)は免除される、という条項です。

そして、まったく胡散臭いのは、ヘルス・ケア業界が賛成に回っていることです。

Townhall Meetingsにやって来る、改革に反対する市民を脅かす意味なのでしょう、下院議長のナンシー・ペローシは、ヒステリックに『反対するのは非国民』、と発言しています。

株式市場はどういうわけか最近上向きですが、アメリカの景気自体はまったく向上している感覚は無く(精々横ばいがいいところ)、この不景気の真っ只中、全世界に対して借金に借金を重ねる真っ只中で、なんで金のかかるヘルス・ケアの改革とやらをしなければならないのか?大統領の『カリスマ性』をまったく感じない私には、まったく分かりません。

昨年の9月末、株式市場が急降下した理由は金融市場でした。金融市場の問題はまったくと言っていいほど何も解決されていません。3月以来株価が毎日のように上がっているので、人々は何となく安心した気になっていますが、タイトなクレジット市場、劣化したアセットの問題はそのまま。改革というならこっちが先だろうに、と私は思いますが、それをしない、ということは、要は「改革」は口先だけ、真の目的は別にある、と見ざるを得ません。

Thursday, August 6, 2009

ウォール・ストリート、AIGからまた儲けるようです

AIG Breakup Is Fee Bonanza [AIGの解体の手数料で大儲け]
(8月7日 ウォールストリート・ジャーナル)

AIG、日本ではアリコとしてよく知られていますが、昨年の9月、CDS (Credit Default Swap)のブローアップで米国政府の救済を仰がざるを得なくなり、結局政府が株式の79.99パーセントを保有する事実上の国営化となったのはまだ記憶に新しい、かな?

(ちなみにこの79.99パーセントと言うのは曲者の数字なのです。政府の株式保有率が80パーセントを超えるとこれは事実上ではなく正式な国営化で、AIGの決算、損益貸借をそっくり国のそれと合算しなければならなくなるため、正式の半歩、4分の1歩手前の保有率にしたわけ。)

政府の計画では、この先数年かけてAIGを解体、売却し、救済に使った金(現在までで総額約1800億ドル、日本円で17兆円強)を回収する、というものです。ウォールストリート・ジャーナル紙の分析によると、この計画を実行するためにはゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーを始めとするウォール・ストリートの金融機関に頼るしかなく、そのためにニューヨーク連邦銀行(AIGの子会社の株式保有者)とAIGがこれらの金融機関に払う手数料はおそらく10億ドル(日本円にして約950億円)、1996年にAT&Tを解体したときの手数料の4倍、2008年のビザIPOの手数料(アメリカで史上最大規模のIPO)の2倍近くになるだろう、というもの。

一番利益をこうむるのは現在ニューヨーク連銀のアドバイザーになっているモルガン・スタンレー。現在までにすでに1000万ドルの手数料を受け取っていますが、AIGの解体で更に2億4000万ドルの収入が見込めるとのこと。ほかにも、ゴールドマン・サックス、バンカメ、JPモルガン・チェースが、AIG解体にかかわるプロジェクトを受けたようです。

AIGを事実上国有化した後、AIGの負債(CDS)を政府がカウンター・パーティに100パーセント支払ったのですが、そのカウンター・パーティがゴールドマン・サックスを含むウォール・ストリートの金融機関だったことが今年の3月に明るみに出、AIGの救済は結局、ウォール・ストリートの金融機関を救済するためだったのでは(まさにその通り)、と非難ごうごうでした。もっとも、ものの1ヶ月もしないうちにマスコミのニュースから消えましたが。

ちなみに、負債の一部を相殺する代わりにアリコの株式をニューヨーク連銀が保有していること、ご存知ですか?ちなみにこれは違法ですが、昨年の9月以来、米国連邦銀行は違法に違法を重ねて金融市場を「守って」きたので、今更だれも何も言いません。(でも違法は違法です。連銀は、国家の債券以外を保有してはいけないことになっているのです。)

AIGの解体でまたもウォール・ストリートが儲ける、となると、政治家がまた騒ぎ出すんでしょうねえ。私は最近とみに、誰からも悪者扱いされている大手金融機関に肩入れしています。(と言っても、株を持っているだけですが。)ここまで誰もが悪者扱いするとその逆を行きたくなる、つむじ曲がり、へそ曲がりなのですが、過去20年間のアメリカの金融市場と住宅市場、政府の政策を知るにつれ、これまでこれらの金融機関が生き延びてきたのが不思議なくらいで、ついつい世間とは逆に応援したくなったのです。(もっとも、根本的な理由は、株価のチャートを見て上昇の可能性がある、と思ったからなんですが。)

AIGは昨日の水曜日の米国株式市場で、株価が何と63パーセント上昇、13ドルから22ドルに跳ね上がりました。水曜日はほかにも「屑同然」の株が急上昇しました。(私もいくつか持っていましたが、もう屑同然で捨てたも同然だったので、びっくりしました。)

Tuesday, August 4, 2009

米国証券取引委員会(SEC)、フラッシュ・トレーディングを禁止?

フラッシュ・トレーディングに関する最新ニュース。

証券取引委員会、フラッシュ・トレーディングを禁止する方向(8月4日 AP)

米国証券取引委員会(SEC)の委員長、メアリー・シャピロ(Mary Shapiro)は、火曜日、SECがフラッシュ・トレーディングを禁止する方向で動いていると発表、「フラッシュ・トレーディングによって発生する不公平性を排除する方法を早急に実施する」意向を示しました。

そんな方法があればの話ですが…。

このブログでも取り上げたように、フラッシュ・トレーディングで一番儲けているのはゴールドマン・サックス、シタデル等がサポートするネットワーク、ダイレクト・エッジ(Direct Edge)です。これに対抗すべく、ナスダック、BATがフラッシュ・トレーディングに参入、大手で唯一フラッシュ・トレーディングを行っていないのは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)です。

SECがフラッシュ・トレーディングを禁止して一番利益があるのは、NYSEということになりますね。多分。

ダイレクト・エッジ、BATは、フラッシュ・オーダーの見直し大歓迎、いつでも話し合いに応じる、とコメントを出しています。

Sunday, August 2, 2009

オバマ大統領と日本共産党の共通点?

オバマ大統領の日本での評価(あるのかないのか、私は詳しくは知りませんが)、とグーグルで検索したところ、こんなサイトが引っかかってきました。

オバマ大統領と日本共産党 経済政策の共通性 
(7月29日 土佐のまつりごと

サイトの著者は、日本共産党高知県委員会のメンバーで、政策を担当している方だそうです。ブログのポストの書き出しは、

『国民の暮らしや実態経済を無視し、金融中心に「金儲けできればなんでもよい」という新自由主義が破綻した。あらたな経済・財政の方向をどうするか・・・

共産、財源論示す マニフェスト発表 朝日

共産党:「働く貧困層なくす」…マニフェストを発表 毎日7/28 

勤労者減税、富裕層増税。大企業の課税強化、軍事費の削減・・・ 資本主義の総本山のアメリカの不況脱出策と日本共産党の政策が共通している。日本共産党の主張は、当たり前の話をしているだけである。』

普通のアメリカ人が読んだら仰天するだろうなあと思いますが(試しに英語のブログに記事を載せてみました)、実際のところ、オバマ大統領は社会主義者、あるいはもっと進めて共産主義者ではないか、と疑うアメリカ人が増えています。

それはさておき、この著者の言うことは当たっているのでしょうか?

まず勤労者減税。確かにオバマ大統領は事あるごとに Tax cut for the working class といっています。ところが、アメリカでは、個人所得税収の97パーセントを負担しているのは上位50パーセントの所得層。大統領の言う『勤労者』層は下位の50パーセント、元からほとんど所得税を払っていないのです。この層に対する「減税」はつまるところ富の再分布、持てる層から取り上げて、持たざる層へ分配する、まさに共産党にぴったりの政策ではありませんか。

次に富裕層増税。アメリカのトップ1パーセントの年収所得者(年収38万8千ドル以上)はすでに所得税総額の40パーセントを負担しています。トップ10パーセントの所得者(年収10万9千ドル以上)まで下げると、この10パーセントが所得税の70パーセントを負担しています。この層に更なる所得税負担をかける。ずいぶん不公平な話だと私は思いますが、金持ちからふんだくってどこが悪い、とお思いになる方も多いのでしょう。ここで問題なのは、経済を支えているのはいわゆるこの富裕層、ここからDisposable incomeをさらに取り上げて、それで景気が回復すると考えるのはどうしたものでしょうか。

大企業の課税強化。たしかにこれもオバマ大統領がやろうとしていることですね。この共産党の方は、「税率をあげたら海外に出ていくという根拠はない」とおっしゃっていますが、アメリカの実例を見る限り、間違いなく出て行きますね。

ここまでのところ、日本共産党とオバマ大統領はほぼ完璧な政策一致を見ています。

さて問題はこの先。軍事費の削減。ブログの著者はアメリカがオバマ大統領の下で軍事費を削減する、と思っておられるようですが、多分これは予算内の金額だけを見た発言だと思われます。アメリカの軍事費は、予算外予算の金額が非常に大きいのです。ついこの6月にも、2009年軍事補正予算が議会を通過して成立しましたが、これは正規予算外の予算で、1060億ドル、日本円で10兆円を超す大規模な予算です。また、現実的に考えて、イラクからも撤退しない、アフガン・パキスタンにさらに大規模に軍事介入、おまけにイランとの戦端を開くかもしれない、といった状況で、軍事費が削減されるとはまず考えられません。

さらに、共産党のマニフェストは大型公共事業削減を謳っているようですが、オバマ大統領は多分考えもしないでしょう。大統領の考えはまったくその反対で、大型公共事業の拡大が唯一不況から脱出する手段だ、と公言しています。アメリカの借金は増えるばかり。7月ひと月の債券の発行高は、7000億ドルを超えました。日本円で、70兆円です。短期(一年以内)の債券が50兆円強、中長期の債券が残りを占めます。(自転車操業ですね。)

どうもこの高知県の共産党委員の方は、都合のよい点だけを見ているようですが、共産党がオバマ大統領と共通点を感じていること自体、私には興味深いものがあります。

ただし、ひとつ、決定的に違う点があります。多分日本共産党の方々と違って、オバマ大統領は資産が日本円にして8億円以上。金持ちです。資産の多くは著書(代筆のうわさあり)の印税です。日本共産党のメンバーの方々で億万長者がいらしたらごめんなさい。8月の夏休みに大統領が借りる予定の別荘は、一週あたりの貸し賃が約500万円だそうです。勤労者の年間所得を一週間で使うんですねえ。いいですねえ、金持ちは。(おっといけない、またひがんでしまった。)ちなみに、米国大統領の給料は、年間約4000万円です。

Monday, July 27, 2009

マーケット・ティッカー:フラッシュ・トレーディングは詐欺

金融、経済の解説、論評を提供するサイト、マーケット・ティッカーのカール・デニンジャー(Karl Denninger)は、ゼロ・ヘッジ(ブックマークされた方々:新しいサイトに移行しました)のタイラー・ダーデン(Tyler Durden)と同様、High-Frequency コンピューター・トレーディングがMSM(Mainstream media)で取り上げられる以前から問題点を指摘し続けています。このビデオは、特にフラッシュ・トレーディングの問題を取り上げています。

フラッシュ・トレーディングの問題は、MSMがレポートしているように『ミリセコンドのスピードで出されるオーダーに一般投資家が対応できない、要するにスピードの問題』(ニューヨーク・タイムズ紙のではなく、高速で出されるオーダーは実はオーダーではなく、一般投資家のオーダーの値段を吊り上げる目的で出されていることが問題なのだ、とカール・デニンジャーは言っています。詳しくはビデオと、サイトの記事でどうぞ。

Saturday, July 25, 2009

ゴールドマンとフラッシュ・トレーディング

今月の初めのゴールドマン・サックスの元社員の逮捕に端を発した、ゴールドマン・サックスのHigh Frequency コンピューター・トレーディングと市場操作の疑いは、ついにMainstream Media (MSM)のカバーするところとなりました。7月24日付けで、フォーブス誌とニューヨーク・タイムス紙がHigh Frequencyトレーディングのサブセット、フラッシュ・トレーディング(Flash Trading)を取り上げました。ニューヨーク州選出のチャック・シューマー(Chuck Schumer)民主党上院議員が、フラッシュ・トレーディングの禁止を求めた書状を証券取引委員会(SEC)に提出したからです。

シューマー、フラッシュ・トレーディングの取締を要求(7月24日フォーブス)
[シューマー]上院議員、ハイスピード・トレーディングの規制を求める
(7月24日ニューヨーク・タイムス)

フラッシュ・トレーディングとは、売り買いのオーダーが株式取引所に流れる前に、30ミリセコンド(0.03秒)から500ミリセコンド(0.5秒)の間、フラッシュ・トレーディングのメンバーにオーダーの内容を開示するもののようです。現在のコンピュータの容量、スピードからすれば、500ミリセコンドは永遠にも等しい長さです。その間に、メンバーのトレーダーはこの情報を使って、自社に有利なオーダーを出すことが出来る、というわけです。

原則的には、お金さえ払えば誰でもフラッシュ・トレーディングのメンバーになれるようですが、現実にはメンバーは大手の金融機関、Quant Fundsに限られます。入ってくるデータに対してミリセコンドで対応できるコンピューターを保有している会社、ということです。

フラッシュ・トレーディングのサービスを現在提供しているのは、ナスダック(Nasdaq)、Bats Exchange、Direct Edge。このDirect Edgeというのは、ゴールドマン・サックス、シタデル(Citadel)、ナイト・トレーディング(Knight Trading)の三社がサポートするネットワークで、ここがフラッシュ・トレーディングを最初に提供しました。その結果、ニューヨーク証券取引所、ナスダックなどから取引高を吸い上げたようで、ナスダック、Bats ExchangeはDirect Edgeのフラッシュ・トレーディング攻勢に対抗するために、同様のサービスを提供し始めたようです。記事によると、ニューヨーク証券取引所はフラッシュ・トレーディングに反対しているようですが、証券取引委員会が格別の処置をとらなかった場合フラッシュ・トレーディングを提供せざるをえないかもしれません。

一般の投資家にとって、平等の立場、Level playing fieldは存在していなかったわけです。(何を今更、と私は思っていますが。)チャック・シューマーが騒いでこれを規制しても、また新しい技術、ソフトウェアで規制を迂回する方法はいくらでも出てくるのでしょう。

例によって、フラッシュ・トレーディングに詳しいのはゼロヘッジですが、記事が長くテクニカルなので週末に読むことにしています。お読みになりたい方は、これです

Tuesday, July 21, 2009

第2四半期決算発表を良く見てみると…

今週は、企業の第2四半期の決算の発表が本格化する週です。これまでの発表を見ると、アナリストの予測を上回る企業の割合が圧倒的に高いのですが、よくよく見てみましょう。予測は上回ったものの、実際の利益は前年同期に比べて大幅減少、というケースがほとんどなのです。要するに、アナリストの期待が非常に低いレベルだったので、簡単にクリアできた、ということです。決算発表だけ見て、「アメリカの景気は思ったより悪くない!」とかいう、的外れのコメントは控えましょう。

まあ、楽観的に言えば、「悪化の速度が緩和している」とも言えますが、物理で言う終端速度に達したとも言えるのではないかと悲観的な私は思っています。要するに、これ以上加速しようがない、ということで。

ちなみに、下記の企業は今日(7月21日)決算を発表した企業です。利益は減少したものの、予測は上回った企業がほとんど。例外はアップル、コカコーラ、スターバックス、ヤフーで、利益上昇、アナリストの予測も上回りました。

取引開始前の決算発表:

AKS (AK Steel): beat analyst estimates ($47M loss)
BLK (Blackrock): beat (profit down 20%)
BTU (Peabody Energy): met (profit down 66%)
CAL (Continental Airlines): missed ($169M loss)
CAT (Caterpiller): beat (profit down 66%)
DD (Du Pont): beat (profit down 61%)
FCX (Freeport-McMoran): beat (profit down 37%)
HCBK (Hudson City Bancorp): beat (profit up 16%)
KO (Coca Cola): beat (profit up 44%)
LMT (Lockheed Martin): beat (profit down 17%)
LUV (Southwest Airlines): beat (profit down 83%)
MRK (Merck): beat (profit down 10%)
STT (State Street): beat (3.31B loss)
UAUA (United Airlines): beat
UTX (United Technologies): beat (profit down 24%)

取引終了後の決算発表:

AAPL (Apple): beat (profit up 15%)
AMD: missed
BXP (Boston Properties): beat
GILD (Gilead Sciences): beat
SBUX (Starbucks): beat
STX (Seagate): beat
YHOO (Yahoo): beat (profit up 8%)

Sunday, July 19, 2009

サウスパークのエピソード - 金融システムの実体



スタンが貯蓄の大切さを学ぶために行かされた銀行で、さて100ドルのお金はどうなったでしょう?サウスパークはアメリカで人気のアニメですが、日本では放送中止になっているそうですね。テーマが時に過激だったり、政治的だったり、PC (Politically Correct) でなかったりするので、お子様には向かないことは確かです。

"Do I really have to do this, Dad?"
"Stan, now more than ever you need to understand the importance of saving money."
"Grandma said I can use this money to buy whatever I want."
"Next, please."
"Go on, Stanley."
"How can I help you, young man?"
"I got a hundred dollar check from my grandma, and my dad said I need to put it in the bank so that I can grow over the years."
"Well that's fantastic, it's a smart decision, young man. We can put that check in a money market mutual fund, and we reinvest the earnings into foreign currency account with compouding interest and.. it's gone!"
"Uh... what?"
"It's gone, all gone."
"What's all gone?"
"Money in your account. It didn't do too well, it's gone."

Friday, July 17, 2009

今週の米国株式市場のパフォーマンス

先週の金曜日の市場が終わった時点で、ほとんどのトレーダーがS&P500インデックスの「Head and Shoulders Top」フォーメーションを見、株式市場はここから下方にブレークする、と思っていたようです。そんな時に限って、というより、そんな時こそ、市場はストレートではなくカーブを投げるようですね。
今週の水曜日に、私のShoulda Coulda Trade Blogで、S&P500は「Head and Shoulders」ではなく「ダブル・ボトム」かもしれない可能性を出して見ましたが、今週のトレードが終わった今日の時点で、その可能性はまだ生きているようです。実際、今週一週間の市場の上昇は、3月の底値を打った週以来の上昇規模でした。

もしこれがダブル・ボトムで、ここからブレーク・アウトすると仮定すると、ターゲットはダブル・ボトムの真ん中の山のトップからボトムまでのポイント差(約61ポイント)を中山のトップの値に足して、991、という値になります。今日の終値(940)から更に5パーセント上昇の可能性があるということになりますね。

私は個人的にはもう少し高い値までいくのではないかと思っています。(S&Pで1050前後。)理由の一つは、ゴールドマンのおかげで最近とみに注目をあつめてしまったHigh-Frequency Quant Trading。コンピューター・トレーディングの比率が低い市場でインデックスが5パーセント動くとすると、比率の高い現在の市場ではそれ以上に動くのではないか。(ちなみに、リンクした記事はQuant Tradingのベーシックを分かりやすく解説してありますので、ぜひお読みください。)

もう一つの理由は、長期の週チャートを眺めた結果です。S&P500インデックスの1050あたりは、ちょうど89週Moving Averageがインデックスの値と接触する場所のように見えます。インデックスが最後にこのMAと接触しかかったのは、去年の5月。市場が決定的に下方にブレークした2007年の12月以来、インデックスはこのMAを越えていません。

エリオット・ウェーブの分析では、ベア・マーケットは3段階のウェーブで終わる、としています。今年の3月の底値までが、最初のウェーブ、3月の底値から上昇のウェーブが次のウェーブ、最後のウェーブは3月の底値を下回るレベルまで下げて終わり、ということのようです。現在のウェーブは2番目のウェーブということになりますが、この上昇がいつ終わるかが問題。そのポイントの有力候補が、インデックスと89-MAが接触するあたりではないか、と思っていますが、さてどうなることか。

Monday, July 13, 2009

ゴールドマン・サックス4半期決算報告

明日の朝(7月14日)株式市場がオープンする前に、最近とみにニュース、ブログをにぎわしているゴールドマン・サックスが第二四半期の決算報告をします。アナリストの予測は、一株当たりの収益3.542ドル。サブプライムに端を発した金融危機を予測して一躍有名になった元オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニーが、唯一ゴールドマンに「買い」の評価を付けています。

私の株分析ブログにゴールドマンのチャートを出しましたので、よろしかったらご覧ください。去年の11月から続いていたチャンネル(青い2本の平行線)から4月に脱出したものの、150ドル近辺で抵抗にぶち当たっています。ここ1ヶ月のロウソクのフォーメーションはダブルボトムでこれはBullishなのですが、4月以降株価は上昇しているにもかかわらず取引量は減少、RSI、MACDも下降線と、いわゆる "negative divergence" を形成しているのではないかと思われます。

当のゴールドマンを筆頭にコンピューター・トレーディングが市場の過半数を占める今となっては、株価分析手法など何の意味もない、と言い捨てるプロも増えていますね。私はパターン認識が面白いので、意味がないと言われようとなんだろうと分析していますが、市場操作にもかかわらずパターンが浮上してくるということは、これはいわゆる "emergent behavior" なのではないか、と思っています。

Sunday, July 12, 2009

ゴールドマン・サックス続報2-違法トレーディング?

先週、左寄りのブログサイト、デイリー・コスが載せた記事です。デイリー・コスの記事はゼロヘッジなどのファイナンシャル・ブログとは違って左寄りの政治色がかなり前面に出ていて、おまけに個々の記事もあまりオーガナイズされていないので、私の通常フォローするサイトではありませんが、もしこの記事に書いてあることが事実なら、ゴールドマンの存亡がかかるくらい大変なことです。

"Incredibly Shrinking Liquidity" as Goldman Flushed Quant Trading (7/7/09 Daily Kos)

肝心なのは、筆者がデイリー・コスの他の人が書いた(らしい)ものを引用しているところです。

『GS(ゴールドマン・サックス)は政府の特別優遇の結果としてシステムへのアクセスを持っているため、トレードデータがコミットされる前に読むことができ、自社の売買オーダーをその短い瞬間に出すことが出来る。...もし本当なら、これはまったく違法で、まともな国ならゴールドマンはアーサー・アンダーセンと同じ運命を辿って然るべき...』

『ひょっとするとゴールドマン・サックスが行ったのはセキュリティ・アクセス・コードを使って、NYSEのトレード情報を前もって入手するシステムを構築したのかもしれない。この、ほんの一瞬の情報の優位性から得られる利益はおそらくとてつもないものだった可能性がある。一日あたり100万ドルといったような』

何がなんだか分からない向きには、これが原文です。

”Goldman Sachs may just possibly have used security access codes and built a system to acquire trading information PRIOR to transaction_commit time points at NYSE.
The profitability of this split-second information advantage would have been and could have been extraordinary. Observed yielding profits at $100,000,000 a day. ”

問題は2つあると思われます。1つ目、政府の特別優遇措置がゴールドマンだけになされていた可能性。2つ目、その優遇措置を利用(悪用?)して、NYSE(ニューヨーク株式市場)のトレードの”Front-running”(違法です)をゴールドマンがやっていた可能性。

デイリー・コスが言うとおり、(本当だとしたら)まともな国ならこれは大問題ですが、アメリカはまともな国であることをもう何年もやめているようです。新しい政権になっても、一向に変わる様子はなく、逆に一層不透明になりつつあります。まあ、本当だとしても、精々多少の罰金が科せられて終わり、といった、形式上の軽いお仕置き(”Slap on the wrist”)が関の山、と私は踏んでいますが。

Thursday, July 9, 2009

OT: オバマ大統領の目線の先は?


ドラッジレポートはニュースが速いだけでなく、政財界のリーダーの面白い写真をフロントページに出します。ニュースが更新される度に写真も変わりますが、今日の夕方から夜にかけての写真はこれ。

イタリアでのG-8サミットの写真です。オバマ大統領の目線の先には、バックシャンの女性のセクシーなヒップ。そんなオバマ大統領を面白がって見ているのはフランスのサルコジ大統領。

ところで、オバマ大統領とサルコジ大統領は、興味深い共通点があります。2人とも、成長過程で父親の存在が非常に希薄だったことです。このことが人格形成に大いに影響を及ぼした、という人もいます。(フランスの大統領は自分でそう言っていますね。)そういえば、父親が外国人だった、というのも共通点かな。

Wednesday, July 8, 2009

ゴールドマン続報-ゴールドマンの市場操作が焦点に

ゴールドマン・サックスの元社員がコンピュータートレーディングのコードを盗んだ疑いで逮捕されたニュースの続報です。

先駆けたロイター通信、ゼロヘッジに遅れを取った金融ニュースのメジャー、ブルームバーグニュース、7月6日付けで自社の記者による記事をサイトに出したところまではいいのですが、ゴールドマン・サックスによる市場操作そのものに焦点を集める結果になってしまったようです。

ブルームバーグの記事は、『Goldman Trading-Code Investment Put at Risk by Theft』(7月6日)ですが、問題の箇所は記事の4番目の段落、Assistant U.S. Attorney Joseph Faccipontiの発言です。

『ゴールドマン・サックスは、このプログラムの使い方を知っている誰かが、市場(複数)を不正に操作するのに使いかねない危険性がある、と指摘している。』

つまり、このプログラムはゴールドマン・サックスが市場を不正に操作するためのプログラムである、ということになってしまうわけです。

またも速かったのはゼロヘッジ金アンチトラスト委員会(GATA)が証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)宛てに出した手紙を掲載しています。この手紙で、GATAはブルームバーグの記事の問題の箇所を引用し、

『Assistant U.S. attorneyの発言は、ゴールドマンサックスが自社の市場操作は公正で、他社が同じ操作を行うのは不正だ、と考えているとも取れる。ブルームバーグニュースの記事にもある裁判の行方は、ゴールドマンが取引を行うすべての市場に影響を与える。ゴールドマンのトレーディングプログラムを早急に調査し、結果を公表してもらいたい。』

と要求しています。

GATAが関係する市場はニューヨーク商品取引所(NYMEX)内の商品取引所、COMEXです。COMEXはアルミ、銅、金、銀を取引していますが、中でも特に金市場、銀市場は以前から市場の不法操作の噂が絶えないのです。COMEX金・銀市場の大手ディーラーは他ならぬゴールドマン・サックス。COMEX金・銀市場の大半は、ゴールドマンを含めた大手ディーラー数社(ゴールドマンの他には、J.P.モルガン・チェース、HSBC、ドイツ銀行などが大手です)が独占しているらしく、特に昨年の9月の株式市場急下落以来、米国連邦銀行および財務省の裏の指示で、大手ディーラーが金・銀の価格を不当に操作して下げている(つまり、金・銀を空売りしている)、という噂は、GATAのサイトにも頻繁に載ります。(これは一例

先週の木曜日から3日間、米国市場は下げていますが、過去3ヶ月、どこからともなく入ってきて市場を急転させていた買いがばったり止まった様な感があります。「不当な非難」に対するゴールドマン・サックスの腹いせか、と私はひそかに思っていますが。

Tuesday, July 7, 2009

ゴールドマン・サックス元社員、機密漏洩で逮捕

ところで、ゴールドマン・サックス(元証券、今は一応銀行)の元社員が逮捕された話、ご存知ですか?

ニュースがアメリカでブレークしたのは(ひどい日本語ですね、我ながら)日曜だったと思いますが、今年の6月までゴールドマン・サックスでコンピュータートレーディング用のソフトウェアの開発をしていた社員(VPです)が、ソフトウェアのソースコードを盗み出そうとした容疑で、金曜日にFBIに逮捕された、というものです。最初に報道したのはロイター通信、ゴールドマン・サックスの株式市場操作をレポートし続けているゼロヘッジも直ちにポスト。

コードの一部はロシア人セルゲイ・アレイニコフ容疑者がすでに6月初旬の時点で、ドイツでホスティングされている、イギリス人が所有するサイトにアップロードされている(今もされたままらしい)とのことで、すでに1ヶ月、ゴールドマン・サックスがコンピュータートレーディングに使っていたコードが外部に漏れていたことになり、FBIの言では「国家の安全が侵された」などと、大層な話に発展しています。

しかし、ゼロヘッジが追及しているように、ゴールドマンのコンピュータートレーディング(Quant Trading) のニューヨーク株式市場に占める比率は非常に高く、3月に市場が底値を打って以来、連日低い取引高で株式指標が上がっていったのに疑問を持ったトレーダー、アナリストは結構いるのです。よく言えば株式市場をサポートする、悪く言えば市場を操作するゴールドマンのQuant市場独占を可能にしたのは、ほかならぬこのソフトウェア、ということで、企業秘密というだけでなく、実際FBIの言うように国家機密のレベルかも知れません。

コンピュータートレーディング、特に、High-Frequency Tradingと呼ばれるトレーディングは、ミリセコンド内に数百、数千のトレードを発するもので、特にこのトレーディングを株式指標のオプションや先物に使った場合、その波及効果は計り知れないほど大きくなります。ミリセコンドどころか、マイクロセコンド、ナノセコンドで取引可能なプログラムもある、と聞きました(噂だけかも知れませんが)。従来の取引に比べて取引の回数が天文学的に増えるため、実際の取引量が増えているような錯覚を与えますが、あくまで錯覚のようです。詳しくはゼロヘッジのサイトで山ほどある記事をお読みください。

Saturday, July 4, 2009

オバマ、一泊13,000ドルのモスクワ・リッツ・カールトンに滞在

ロシアのプラウダと言えば、1991年までソビエト連邦共産党の公式機関紙として知られていました。皮肉なことに、最近ではいわゆる西側のメディアよりも、プラウダ紙で自由市場経済を擁護する記事を見かけることが多いのです。

この記事などはその一例(オバマ体制の元で何の抵抗もなく社会主義(共産主義)に移行しているアメリカへの警告)ですが、7月3日付けで妙な記事が出ていました。

バラク・オバマ、一泊13,000ドルのモスクワ・リッツ・カールトンホテルに滞在か(7月3日、プラウダ)

記事の前半は米国のオバマ大統領がロシア訪問を前にロシアのメディアに対して行った会見の要約なのですが(プーチン首相は冷戦時代にまだ片足を突っ込んだままだ、とか的外れなことを言ってましたね。本人は両手両足突っ込んでるんじゃないかと私は思っていますが)、記者が興味を持って書いたのは明らかに後半、オバマ大統領がモスクワでどこのホテルに滞在するかの憶測です。プラウダの記者はスパイもどきに情報収集を行ったようで、結論は、過去の米国大統領が滞在したマリオット・グランド・ホテルではなく、リッツ・カールトンのプレジデンシャル・スイートだ、とのこと。一泊するだけで13,870ドル(日本円にして約133万円)が吹っ飛ぶ、大層な部屋だそうです。

疑うわけではないのですが、念のためにモスクワのマリオット・グランドホテルとリッツ・カールトンのオンライン予約で試してみました。(ヒマ人ですね、私は。)記事の通り、マリオット・グランドホテルのプレジデンシャル・スイートの予約はOKですが、リッツ・カールトンの予約ページは、「ご希望の日にち(7月5日から8日)に空き室はありません」というメッセージが出ます。

大統領の威厳が云々、安全保持が云々、いろいろあるのでしょうが、アメリカは1930年代の大恐慌以来の大不景気、新しい大統領の下で国家の赤字はますます拡大の一途を辿る始末。口先だけでいいから、大統領が率先して経費削減に努める、ホテルの費用も余計な贅沢はしない、とでも言えないんでしょうか?

まあ、大統領夫人が540ドル(約5万1800円)のスニーカーを履いてフード・バンクのイベントに行くのですから、そんな気配りや気遣いは皆無と見ていいでしょう。アフガニスタンで摂氏40度の炎天下3日ぶっ続けの強行軍で歩き続けているアメリカ海兵隊の兵士たちも、なんだか報われませんね。

私の下世話な興味は、大統領がアメリカを代表していったいどんな贈り物をロシアの大統領、首相にするんでしょうか、ぐらいですね。アメリカを公式訪問したイギリスの首相には、イギリスの方式では見れないハリウッドの映画DVDセット、大統領自身がイギリスを訪問したときには、自分の演説を入れた iポッドを女王陛下に。イギリス人は怒ってましたね。

(毎日の暮らしに苦労している私の愚痴です。すいません。)

Monday, June 29, 2009

中国の貸出し資金バブル

Ambrose Evans-Pritchard は英国のテレグラフ紙のビジネス・エディターですが、辛口の(悲観的という人もいますね)経済・ビジネス評で知られています。最新の記事で、中国の経済刺激政策の資金が実質経済に行かず、バブル化している、と指摘しています。

China's banks are an accident waiting to happen to every one of us (6/28/09 Telegraph)

「中国の銀行は抑制が効かなくなりつつある。改革未だ途上の中国経済は、昨年12月以来発行された新しい資金を吸収できない。資金はカジノ化した上海株式市場に流れるか、破産同然の建設会社に流れるかして、世界経済をスランプから脱出するのにほとんど貢献していない。」

「フィッチ(アメリカのクレジット査定エージェンシー)の中国のマクロ・リスク査定は、カテゴリー1(安全)からカテゴリー3(アイスランドなどと同じカテゴリー)に移行する恐れがある。北京大学の Michael Pettisによると、中国の公的負債はGDPの50パーセントから70パーセントである可能性がある。」

「中国政府は成長ターゲット8パーセントを何としてでも達成したいあまり、銀行の資金貸出しに対して政府の無言の保証をつけたようなもので、これが巨額の貸出しにつながっている。」

「フィッチは現在のクレジットバブルを、銀行支払準備金に払っていた利息を0.72パーセントに切り下げた中央銀行の決定に端を発している、とする。銀行はこの利鞘縮小に対応するために、貸出し金額を増加したのである。しかも新しい負債の半分以上は短期の負債。中国の11月以来の金融刺激策はリーマン・ブラザーズ倒産後の米国連邦銀行の介入よりさらに過激なのだが、そのことはあまり注意を引いていない。」

上海株式市場の底値は確かに去年の11月でした。今年に入ってから、原料市場が真っ先に底値を打って上昇をはじめたとき、これは中国からの買い付けのせいだ、中国の景気刺激対策は実効を上げている、などの解説を読んだ覚えがあります。これが単なる投機のバブルだったとしたら(投機だ、とこの記事は言っています)、中国が世界経済を牽引するどころか世界経済を破綻しかねない可能性があるわけです。

アメリカの新しい大統領の矢継ぎ早の政策は、どれもこれも莫大な借金を新たに作るものばかりで、アメリカの経済が実質的に回復する見込みは短期的にはまずない、と見ていいと思われます。(アメリカの新しいバブルは政府のバブルだ、と私は思っています。)アメリカの経済もだめ、中国も実はだめだとしたら、どこが牽引車になれるんでしょうかね?

Sunday, June 28, 2009

OT: Rest In Peace, Michael

Sunday, June 21, 2009

米国債券持出しで逮捕されたのは財務省の役人?

ラジオをなんとなく聴いていたら、耳に飛び込んできたのは『6月初め、米国債券をスイスに持ち出そうとしてイタリアで逮捕された日本人は、日本の財務省の役人だった』、というとんでもないニュース。

そこで、インターネットでニュースを検索したところ、唯一ひっかかってきたのがターナー・ラジオ・ネットワークのニュース。(ちなみに、このネットワークは眉つばものとされていますので、ご注意。5月の初旬にも、米国金融機関の資産査定(ストレス・テスト)の”結果”をいち早く発表して悪名を上げました。)

1340億ドル相当の米国債券をスーツケースに隠して持ち出そうとしてイタリアで逮捕されたのは日本の財務省の役人 (6月20日 ターナー・ラジオ・ネットワーク)

『1340億ドル相当の米国債券をスーツケースに隠し、スイスに持ち出そうとしてイタリア警察に逮捕された2人の日本人は、日本財務省の役人である。

『イタリアで逮捕された2人は、日本政府が保有していた米国債券を、日本政府の指示で秘密裏に処分しようとしていた。

『債券の連番から、この1340億ドル相当の債券は日本政府が公式に保有する6860億ドル相当の米国債券の一部であることが判明した。

『イタリアの司法当局によると、当初は逮捕された2人はやくざだろうと考えられており、彼らが所持していた債券も偽物と思われていた。しかし、逮捕されて拘置が数日を越えたころ、2人はそれまでの供述を変え、日本の財務省の役人であることを認めたという。』

詳しくは、上記のリンクをクリックして記事を読んでみてください。マユツバでしょうが、この記事が言うとおり、また、数日前のBloombergの記事も言うとおり、この不思議な事件に関する報道は日本でも、アメリカでも、ほとんど皆無です。1340億ドルという半端な金額、また、逮捕から2週間が経つにもかかわらず何の公式発表もないところから、これはもしかして本物の債券ではないか、と疑いだしたブログが日本でも、アメリカでも、出始めたようです。

下手なスパイ小説より面白いかな。

Wednesday, June 17, 2009

オバマ大統領の金融規制改革案

オバマ大統領は6月17日、包括的な金融規制改革案を発表しました。案の骨子は前日までリークされていましたので、さほどの驚きは表面的には無く、株式市場の反応もほとんど皆無でした。

しかし、大統領の改革案、考えてみると、原因と結果を取り違えていると思います。

大統領の言では、「大手金融機関の破綻や適切な規制の枠組みの欠如が経済低迷をもたらした」ことになっていますが、現在の経済低迷は2007年12月から始まったものです。大手金融機関の破綻が本格化したのは、2008年の9月。

大統領はさらに続けて、「責任回避のカルチャーがウォール・ストリート(金融機関)から始まり、ワシントン(政府)、メイン・ストリート(一般市民)に広がった。」

果たしてそうでしょうか?私は逆だと思います。責任回避のカルチャーは、ワシントンに始まり、メイン・ストリート、ウォール・ストリートに広がったのだ、と。

詳しくは、英語版のブログ・ポストをご覧ください。

ポストの要点をかい摘んで見ると、

  • 連邦銀行の過去20年近くにわたるルーズな金融政策(低金利、容易なクレジット)が、問題の核。

  • 連邦銀行の政策は、連邦銀行が勝手に作り出したわけではなく、経済低迷から脱出するための政府の政策、特に住宅政策の一環として機能した。つまり、政府の政策あってこその連邦銀行の金融政策

  • 過去2代にわたる大統領の、安易な住宅政策の破綻が金融危機の根本にある

  • ワシントン(政府)の責任を問わないばかりか、金融危機を引き起こした張本人(連邦銀行、政府財務省)を金融規制改革の責任者に据える案は、本末転倒

米国の連邦銀行は政府機関ではありません。日銀と違って公的資本は一切入っておらず、昨年9月来の大規模な金融操作の繰り返しでバランスシートが未曾有の規模になっているにもかかわらず、公的監査が入ったことは一度もありません。現在、米国下院の共和党ロン・ポール議員提案の『連邦銀行監査法案』(H.R. 1207)の共同提案者数が、民主党の共同提案者60名以上を含む下院の過半数を突破しています。

問題を取り違えると、解決案は解決にはならず、逆に新たな問題を作り出す原因となっていくことが往々にしてあります。今回の改革案、その轍を踏むことにならなければよいのですが。

Friday, June 5, 2009

『外れ』を探す:WSJマネー・フロー(1)

ウォール・ストリート・ジャーナル・オンラインのサイトには、市場データセンターというページがあります。その中の「マネー・フロー」のページを私はよく利用しています。ページは誰でも無料でアクセスできます。

「マネー・フロー」ページは株式市場の取引時間中は1時間に1回の割合で更新され、その時間内にどのセクター、どの株に資金が流れているかをまとめた表形式になっています。

このポストはまず第1部ということにして、「市場とセクター概観」(Market and Sector Overview)のページから見ていきましょう。(スクリーンショットをご参照ください。または、前出のリンクをクリックしていただけると、新しいウィンドウにページが開きます。)

今月に入ってから、先月とは一転して金融株の売りが非常に大きくなっています。ヘルスケアは先月からの流れを引き続いて、売られています。

大体の金の流れを見た後、私が注意するのは、『外れ』です。例えば、セクター自体は上昇しているにもかかわらず資金が出て行ったものはあるか、あるいはその逆はあるか。

今日の市場で例を挙げれば、原材料(Basic Materials)です。セクターとしては下げているにもかかわらず、資金は引き続き入ってきています。このような動きをしたセクターは、今日の市場では原材料のみ。このセクターは3月の市場底打ち以来、もっとも資金の流入しているセクターの一つです。金融セクターへの資金流入は大きかったのですが、ここ2週間で反転、資金流出セクターになってしまいました。

いま改めてスクリーンショットを見ていたら、大きな『外れ』に気がつきました。表の右側、過去1ヶ月のマネーフローの欄です。過去1ヶ月、アメリカ株式市場は上げています。にもかかわらず、資金は市場から出て行っているようです。これは要注意のサインでは?

次のポストでは、「マネーフロー」内の、Selling on Strength、Buying on Weaknessのページを見てみたいと思います。

Thursday, June 4, 2009

SKF、FAZの価格想定

私のもう一つのブログに、SKF(レバレッジ2倍金融ショートETF)とFAZ(レバレッジ3倍金融ショートETF)の価格想定表を出しましたので、よろしかったらご覧ください。

SKF: http://shoulda-coulda-trade.blogspot.com/2009/06/possible-future-for-faz.html
FAZ: http://shoulda-coulda-trade.blogspot.com/2009/06/possible-future-for-faz.html

表からも分かるように、ここからすぐ株式市場が連日下降しない限り、あまり価格上昇は期待できません。

Monday, June 1, 2009

GM破産宣告と大統領の自動車産業タスク・フォース

ゼネラル・モーターズ(GM)は6月1日月曜日に破産宣告、Chapter11でのリストラを開始することが確実になったようです。政府は新会社の株式の60%を保有する予定。(最新のニュースはこちら

もともと政府のローンが出た理由は確か破産を防ぐためだったのですが、まずCEOが突然3月に解雇され、GMヨーロッパのビジネスはカナダの自動車部品メーカー(マグナ)とロシアのトラック製造会社、ロシアの銀行が主体のコンソーシアムに売られ、あれよあれよという間に破産。

この一連の流れをを画策したのはオバマ大統領直属の「自動車産業タスク・フォース」。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事が指摘するように、米国議会はほとんどまったく関与していません。破産後のリストラでさらに300億ドル、国が融資することになるようですが、どうも議会はつんぼ桟敷に置かれている感が否めません。

この議会を超える権限を執行している「自動車産業タスク・フォース」のメンバーは、いったい誰なのでしょうか。

2月20日のホワイト・ハウスの発表によると、正規メンバーとして政府閣僚10人、実行の補佐として閣僚の補佐官クラスが10人、アドバイザーが一人となっていますが、肝心なのはこのリストに載っていない、いわゆるスタッフ、実際にゼネラル・モーターズのCEOを首にし、クライスラーと交渉し、クライスラーの債権保有者を脅し、GMのオペルをカナダの会社に売り渡す、といったことを行っている人たちです。このスタッフの情報はほとんど明らかにされておらず、ごく稀にニュースの中でたまたま言及されているのを記録したのが、次の5人です。

  • Brian Deese: 31歳、元オバマ選挙キャンペーン補佐
  • Alan Krueger: プリンストン大学経済学者
  • Matthew Feldman: Willkie Farr & Gallagher LLP パートナー(企業破産とリストラ専門)
  • Harry J. Wilson: 37歳、元ヘッジ・ファンドのスター・プレーヤー。ヘッジ・ファンド以前はブラックストーン、ゴールドマン・サックスに所属。
  • Clay Calhoon: ウォルト・ディズニー社のアナリストとして、2年間のインターンを終えたばかり。

このような人々を統括するのが、

  • Steven Rattner: インベストメント・バンカー。タスク・フォースの名目上のボスである財務長官 Tim Geithner と Lawrence Summers に報告義務がある。彼の運営するファンド(Quadrangle) は、現在もニューヨーク州の公的年金にまつわる贈賄疑惑の真っ只中。また、彼は、クライスラーの現オーナーであるCerberus Capital Management からの借金を踏み倒したことでも知られる。クライスラーの債権保有者を脅したのも、ゼネラル・モーターズのCEOを首にしたのも、彼。

なんだかがっかりしますね。クライスラー、ゼネラル・モーターズの、長年車を(良かれ悪しかれ)造ってきた人々が、ウォール・ストリートから来たこのような人たちにあれこれ言われて挙句の果て倒産の羽目になるとは。

再建後のゼネラル・モーターズは、さらに米国内の工場を閉鎖し、ディーラーを削減し、中国で生産した車の逆輸入を大いに増やす予定だそうです。ゼネラル・モーターズに公的資金を入れる理由の一つは、アメリカ国内の雇用を確保し、アメリカの製造業を守ることだったと記憶しているのですが。。。

Monday, May 25, 2009

SKFって何だろう?

と、いぶかしんでいらっしゃる方々のために、簡単な解説をしてみます。

SKFは、数多く出ているETFのひとつです。ETFは、Exchange Traded Fundの略称で、日本語では「株価指数連動型上場投資信託」とか、元の英語の2倍3倍の言葉を使ったような訳語になってますが、要するに、投資信託ではあるけれど通常の株式と同様に売買できるファンド、と考えればいいでしょう。

SKFの連動する指数は、ダウ金融指数(Dow Financial Index、DJUSFN)ですが、このETFの特徴は、「ダウ金融指数が下がるとSKFは二倍上がる」ところにあります。つまり、金融指数が一日に10パーセント下がったとすると、このETF は20パーセント上昇するのです。昨年9月来、株式市場が大幅に下げる中、この手のETF(SKFよりさらにレバレッジの高い、3倍ショートのETFも多数出ています)は一般投資家の間でも大変な人気になりました。

日本の情報の中では、ETFについて「通常の投資信託と比べると保有コストが安く流動性の高い商品ですから、長期投資に適しているとされています。」と解説しているサイトもあるようですが、これは間違いとまでいかなくとも、不十分な説明です。レバレッジのあるETF、つまり、連動する指数の動きの2倍、3倍のリターンを謳っているETFは、ロングであれショートであれ、長期投資にはまったく適していないのです。

SKFを例にとって見ましょう。ダウ金融指数は昨年の9月から40パーセント下げています。それなら、下げ幅の2倍上がるSKFはさぞかし儲けたことだろう、と思われるでしょう。昨年の9月時点で、SKFは110ドルでした。下げ幅の2倍の上昇なら、110ドルx80パーセント、SKFは200ドル近くになっているはず。ところが、SKFの先週の終値は46ドル。What gives? いったいどうなってるの?

疑問を解く鍵は、前述の説明の中の一語、「一日に」というところにあります。ダウ金融指数が一日に10パーセント下がるとSKFは確かに20%上がるのですが、翌日になるとまた「仕切りなおし」なのです。下の表をご覧ください。ダウ金融指数が2日目に10パーセント下がり、3日目に11パーセント上がったとします。指数は1日目の終値とほぼ同じレベルに戻ったわけですが、SKFの方はどうでしょうか。2日目に20パーセント上げたものの、3日目には22パーセント下げ、3日目の終値は1日目の終値よりも6パーセント減っています。

レバレッジのあるETFは、連動指数が連日上昇、あるいは下降している(昨年の10月、11月のような)状況では高利益が望めますが、いったん指数の上昇・下降傾向が逆行を始めたり、ひとところに停滞して上がり下がりを繰り返すようになると、「仕切りなおし」が災いして、ETFの価値は連動している指数の長期の動きが示唆する価値よりも低くなってしまうのです。

レバレッジ・ショートETFのベストな使い方は、短期の売買(長くても数日)に限ることのようです。昨年のように株式市場が連日大幅に下げる状態になれば、数週間保有しても大丈夫のようです(私の経験からですが)。

レバレッジ・ロングETFも同様で、株式市場が連日上げる、今年の3月、4月のような状態が続けば長期保有も可能かもしれません。しかし、こちらも、レバレッジのない金融ETF(XLF)が今年の初めのレベルに戻っているにもかかわらず、2倍レバレッジの金融ETF(UYG)は今年の初めのレベルの半分、3倍レバレッジの金融ETF(FAS)は3分の1に留まっていることからも、長期投資のツールではない、ということをしっかり認識しておいたほうがいいでしょう。(ちなみに、この3種類の金融ETFを比べたチャートをブログに載せていますので、ご覧ください。)

Friday, May 22, 2009

水星逆行第2週: 米国株式市場の結果

水星逆行も第2週を終わり、ますます威力を発揮しているようです。水星の司る(とされている)コミュニケーション、情報伝達・交換が、明らかに滞っているようです。

考えてみれば、株式市場は情報伝達、交換がその本領のすべてと言っても良いくらい。株の売り手と買い手が、株式を発行した会社の業績、見通しなどを株価に置き換えて、いくらなら売ってもいいのか、いくらなら買う価値があるのか、互いの評価をつき合わせる場所が株式市場だと私は思うのです。

まあ、それはともかく。第2週の成績は下の表の通りです。月曜に大幅に上げたのを最後に、4日連続の下げ、結局週初めのレベルに戻っています。指数が下がった日の取引量が増えているのが気になるところです。(英語ですが、私のもう一つのブログでダウ平均のチャート分析をしています。よろしかったらご覧ください。)



来週は米国の財務省の債券オークション(1620億ドルという、大層な金額です)があるので、株式市場にもかなり影響が出るかもしれません。(週末にポストを書く予定ではあります。)ちなみに、来週月曜日は株式・債券市場の両方とも、休日です。

Monday, May 18, 2009

資産査定(ストレステスト)の真相

見ました? サタデー・ナイト・ライブのオープニングです。夜の夜中に大笑いしてしまいました。


Sunday, May 17, 2009

連邦銀行の金利政策とサブプライム危機

Lewrockwell.comに掲載された、ピーター・シフの記事の要約。

『アラン・グリーンスパン前連邦銀行総裁は、先週火曜日National Association of Realtorsでの講演で、2001年から2005年にかけての低金利政策は住宅ローンの金利、不動産価格に影響を及ぼすものではなかった、と述べた。サブプライム危機に、氏は何の責任もない、というわけである。

『住宅ローンの金利は長期金利に基づくもので、連邦銀行のコントロール下にある短期金利ではない、というのが氏の弁明の主たるものだが、今回の住宅バブル、サブプライム危機は長期金利をベースにした固定金利ローンではなく、短期金利をベースにした変動金利ローンによって発生したのである

『また、氏の不満の一つは、短期金利を注意深く調整したにもかかわらず、調整の成果が長期金利に反映されず、長期金利は低い水準のままだったことだが、それならなぜ、もっとアグレッシブに短期金利を上げなかったのか?

『つまるところ、グリーンスパン氏は住宅バブルの生みの親であったにもかかわらず、いわば親権を今になって否定しているわけである。しかし、未だに氏の言動が重視されていること自体、今回の危機に関する一般の理解がいかに欠けているかを示すものだろう。』

水星逆行第1週:米国株式市場の結果

今回の水星逆行はもしかしたら今までとは違うか、と期待してみましたが、期待は見事に裏切られましたね。まあ、期待を投資の基準にしてはいけないんですが...。今週の米国株式市場の結果は下の表の通り。


ダウ平均とS&P500は先週のオープン値近くまで逆戻り、ナスダックは先週のオープン値より低い水準で今週を終わりました。